クロムメッキには、光沢ニッケルメッキの上にクロムメッキを施し光沢を保つ装飾クロム(ニッケルクロム)と工業用途でクロムメッキを厚付処理する工業用クロム(硬質クロム)に分けることができます。
装飾クロム(ニッケルクロム)とは

クロムメッキは鏡面光沢を有し、耐食性に優れている事からニッケルメッキの最終仕上げの装飾メッキとして利用されています。
装飾クロムメッキ(ニッケルクロム)の外観変更
下地の光沢ニッケルメッキをサチライトニッケルメッキ(つや消しのニッケルメッキ)、半光沢ニッケルメッキ、または下地をホーニング加工(ブラスト処理)などで処理することにより、すぐれた耐食性と異なる外観を持たせることが可能です。

硬さが高く、耐摩耗性に優れ、摩擦係数が小さく、離型性に優れるなどの特性を備えた皮膜であるため、機械部品や金型などの工業向けのメッキに利用されています。
クロムメッキは浸炭焼き入れや窒化処理などの表面処理と異なり、熱処理に伴う品物の変形を起こさず、深さ方向にも硬さは低下しない特徴があります。
現在使用されている代表的なクロムめっき浴の条件

低濃度浴は、排水処理及び省資源のために最近では多くの工場で装飾クロムメッキに使用されているます。
けいふっ化浴は、つきまわりおよび電流効率が良く、比較的に低温で作業できます。
まとめ
クロムメッキとしては、装飾クロム(ニッケルクロム)も工業用クロム(硬質クロム)も本質的な相違はなく、使用目的が装飾以外のもので比較的厚いメッキを工業用クロムメッキと区別しています。(JIS8615 では2μm 以上と規定)
装飾クロムメッキ=ニッケルクロムメッキ
どちらのクロムメッキ皮膜も非常に硬い皮膜となっておりますが、装飾のクロムメッキは膜厚が薄いため皮膜硬度を測定する事ができませんが、硬質クロム同様に非常に硬いメッキ皮膜となります。
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【著者のプロフィール】

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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