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無電解ニッケルめっき

​無電解ニッケルメッキ

 

無電解ニッケルメッキは、電気を使わずに、化学的な還元反応を利用して金属や非金属の表面にニッケル合金の皮膜を析出させる表面処理技術です。「化学ニッケルメッキ」や、英語名のElectroless Nickel Platingを略して「ENP」とも呼ばれます。

電気ニッケルメッキが外部からの電気エネルギーを必要とするのに対し、無電解ニッケルメッキはめっき液に含まれる還元剤の化学的な力でニッケルイオンを金属ニッケルとして還元し、素材表面に皮膜を形成します。

​無電解ニッケルメッキの最大の特徴

この技術の最大の特長は、複雑な形状の製品に対しても均一な厚みの皮膜を形成できる点です。電気メッキでは電流分布の影響で厚みにムラが生じやすいのに対し、無電解ニッケルメッキは溶液に浸漬されている部分であれば、凹凸や穴の内部に至るまで均一に成膜されます。

また、プラスチックやセラミックスのような不導体材料にもめっきが可能であることも大きな利点の一つです(ただし、適切な前処理が必要となります)。

無電解ニッケルメッキによって得られる皮膜は、優れた耐食性、耐摩耗性、硬度を持ち、用途に応じてリンやホウ素といった元素を共析させることで、さらに特性を調整することも可能です。

これらの特性から、無電解ニッケルメッキは、精密機械部品、電子部品、自動車部品、航空宇宙部品など、高い寸法精度や機能性が求められる様々な分野で活用されています。私たちの目には触れにくい部分でも、製品の性能向上や長寿命化に貢献している重要な技術です。

一般的に、リン含有率によって以下のように分類され、それぞれ異なる特徴を持ちます。

低リンタイプ (リン含有率:1~4wt%)

皮膜は結晶質に近く、析出状態でも比較的硬度が高いですが、熱処理によってさらに高硬度が得られます。耐アルカリ性に優れています。主な用途: 高い硬度や耐摩耗性が求められる機械部品、金型など。

中リンタイプ (リン含有率:5~9wt%)

最もバランスの取れたタイプで、光沢も良く、適度な硬度と優れた耐食性を兼ね備えています。析出状態では延性にも富んでいます。汎用性が高く、多くの分野で使用されています。主な用途: 自動車部品、電子機器の筐体、装飾部品など、幅広い用途に対応します。

 

高リンタイプ (リン含有率:10wt%以上)

特徴: リン含有率が高くなるほど皮膜はアモルファス(非晶質)構造に近くなり、非常に優れた耐食性を示します。また、非磁性の特性も持ちます。主な用途: ハードディスクの磁気ディスク下地膜(非磁性)、耐食性が特に要求される化学プラント部品、センサー部品など。

 

このように、Ni-P皮膜はリンの含有率をコントロールすることで、硬度、耐食性、磁気特性などを調整でき、非常に多岐にわたる産業分野でその機能を発揮しています。

​無電解ニッケルメッキの硬度

硬度とは、材料が他の物体から変形や損傷を受けることへの抵抗力を示す尺度です。無電解ニッケルメッキでは、この硬度がメッキ層の耐摩耗性と耐久性を測る重要な指標となります。

硬度の単位には、HV(ビッカース硬度)、HRB(ロックウェル硬度Bスケール)、HRC(ロックウェル硬度Cスケール)などがあり、それぞれ異なる測定方法に基づいています。例えば、ビッカース硬度はダイヤモンド製のピラミッド形圧子を試料に押し込み、その圧痕の大きさから硬度を算出します。

 

一方、ロックウェル硬度は、圧子の種類(球形または円錐形)と荷重によって異なり、圧子を押し込んだ深さから硬度を求めます。

熱処理による硬度向上

無電解ニッケルメッキの硬度は、熱処理によって大きく変化します。

メッキ直後の皮膜は非晶質または超微細結晶質ですが、約260℃付近から徐々に結晶質のニッケル(Ni)とリン化ニッケル(Ni3P)が混ざり合った層へと変化します。

この変化により、マトリックスである結晶質ニッケル中に硬いNi3Pが分散した複合メッキとなり、硬度が向上すると考えられています。

めっき後の部品を高温で加熱することで、Hv900〜1000程度の高硬度を実現できます。

硬度と摩擦係数、水素脆性

一般的に、硬度が高い材料は摩擦係数が低くなる傾向があります。これは、硬い表面が滑らかであるため接触面積が小さくなり、摩擦が減少するためです。無電解ニッケルメッキの場合も、硬度を高めることで表面の滑らかさが向上し、摩擦係数が低下します。これにより、耐摩耗性が高まり、動作部品の摩耗が減少して長寿命化に寄与します。そのため、無電解ニッケルメッキの硬度を適切に管理することは、製品の性能と耐久性向上に不可欠です。

さらに、熱処理(ベーキング処理)は、部品が水素を吸収して脆くなる水素脆性を低減する効果もあります。これにより、部品の耐久性と安定性がさらに向上します。

​無電解ニッケルメッキの原理と化学反応式

無電解ニッケルメッキの原理は、メッキ液内に含まれるニッケルイオンが化学反応によって還元され、金属表面にニッケルの層を形成することにあります。基本的な化学反応式は以下の通りです。

Ni2+ + 2H2PO2- + 4OH- → Ni + 2H2PO3- + 2H2O

ニッケル塩と還元剤が反応し、ニッケルイオンが金属ニッケルに還元される過程を示します。この反応は、特定の触媒の存在下で進行し、均一なメッキ膜を生成します

ステンレスへの無電解ニッケルめっき加工

1

​脱脂工程

2

​電解脱脂

3

酸活性

4

ニッケルストライク

5

無電解ニッケルメッキ処理

アルミニウムへの無電解ニッケルめっき加工

1

​脱脂工程

2

​エッチング(表面粗化)工程

3

スマット除去(デスマット)

4

​ジンケート処理(亜鉛置換)

5

​ジンケート剥離

6

ジンケート処理

7

無電解ニッケルメッキ処理

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