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外観目的で広く利用されている金めっきですが、外観目的以外にも重要な部分に広く利用されているんです。
金は極めて柔軟な素材で、展性と延性共に金属の中で最も優れた金属です。 展性・延性共に聞きなれない言葉だと思いますので簡単にご説明。
目次
展性(てんせい)とは?
展性とは、圧縮する力を加えた際の変形する能力を指し、鍛造や圧延など圧力や打撃で加工した際に、ひび割れなどの破壊なく、薄いシート状に広げることのできる能力を指します。
例えば、金の板を叩いて伸ばした場合、0.07μmまで薄くする事ができるとの事です。
延性(えんせい)とは?
延性とは、引っ張って伸ばして加工した際に、ひび割れなどの破壊なく、針金状に延ばせる能力を指します。
金の基本的な特徴
金は貴金属の中で最も化学的性質に優れており、空気中や水中で酸化しません。
金の元素記号はgoldのGoではなく、ラテン語のaurmに由来したAuとなっております。 2022年現在金の地下埋蔵量は約5万トンと予想されています。
年間約3,000トンのペースで採掘されていますので、このペースですと10数年後には枯渇してしまう計算になります。
2021年度のデータになりますが、金の産出国をランキング形式でご紹介します。
順位 | 国名 | 産出量(t) |
1 | 中華人民共和国 | 370 |
2 | オーストラリア | 330 |
3 | ロシア | 300 |
4 | アメリカ合衆国 | 180 |
5 | カナダ | 170 |
6 | ガーナ | 130 |
7 | メキシコ、南アフリカ、ウズベキスタン | 100 |
8 | インドネシア、ペルー | 90 |
10数年後には資源が枯渇する可能性のある金ですが、そのほとんどが装飾に使われているんです。その他の使われ方としては美容製品や、医療用など広く利用されていますが、今回ご紹介したいのが工業用の用途です。
工業用の用途とは、電化製品のベースとなる回路基板の銅線や、部品を実装する部分などに
金が使われています。金を溶かして流したり金箔を貼ったりするのではなく、金めっきが使用されています。 金めっきには電気めっきで処理する方法と、無電解めっきで処理する方法に分かれています。それぞれの特徴をご紹介致します。
電気金めっきの特徴
JIS規格では、金めっきは金の含有率が99.9%以上の電気めっきとされています。
合金めっきは金の含有率が58.5%以上、99.9%未満とされており、一般的に純度の高い純金めっきは軟質金めっき、硬度の高い合金めっきなどは硬質金めっきと呼ばれていますがこれらはどちらも電気金めっき(電解金めっき)の特徴です。
金めっきには電気めっき、無電解めっきがございますが、電気めっきが現在最も利用されている方法で、ニッケルやコバルトなどと合金化し、硬質金めっきとする事で電気接点や端子、コネクターなどの摩耗する製品に利用されています。 純度の高い純金めっきは電気伝導性や耐食性に優れているため、ICヘッダーやリードフレームなどに利用されています。
無電解金めっきの特徴
無電解金めっきの特徴は、金自体の化学的および電気的安定性と外部電源を使用しない無電解の両方の特徴を兼ね備えており、回路設計の改善方法としての部分Auめっきの要望が高まっています。部分金めっきには無電解金めっきが適しています。
無電解金めっきの欠点
めっき速度が遅い
めっき液の管理範囲が狭い
めっき液の寿命が短いなど
無電解金めっきには色々欠点がありますが、電子機器の小型化、基板の微細化、回路の孤立化、狭ピッチ化により、電気めっきでは対応できない利用方法に対し無電解金めっきが幅広く利用されています。
まとめ
金めっきには電解めっきと無電解めっきに分かれており、電解めっきは純金めっきから、ニッケルやコバルトを混ぜた合金めっきを処理することができる。 無電解金めっきは無電解の特徴である化学反応を利用した処理方法であるため、均一性などに優れた金めっきを施すことができる。 金めっきというとイミテーションのイメージがあり金に似せたものを安く作れると思われがちですが、金を溶かした液でめっき処理を行いますので、めっき液自体が高価な液となり、必然的にめっきの処理代も他の金属に比べ高額な処理になりますが、金という非常に優れた特性を持たせる事ができる事からまだまだ需要が伸びるものと考えられます。
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【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、 製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。 メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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