ステンレス鋼(ステンレス)は、鉄を主成分とし、クロムを約10.5%以上含む合金です。クロムの存在により、ステンレスは酸化や腐食に対して非常に優れた耐性を持ちます。
この特性から、ステンレスは建築、医療、食品加工、家庭用品など幅広い分野で使用されています。ステンレスには多くの種類があり、具体的な用途に応じてニッケル、モリブデン、マンガンなどの元素が追加されています。
■INDEX■
1. ステンレス鋼へのメッキの目的
ステンレスはもともと耐食性が高い素材ですが、特定の用途や外観を改善するために、表面にメッキ処理が施されることがあります。
メッキ処理により、ステンレスにさらに防錆性や耐摩耗性を付与したり、装飾性を向上させたりすることが可能です。一般的なメッキ処理には、クロムメッキやニッケルメッキ、金メッキなどがあり、これらはステンレスの表面に新たな特性を加えることができます。
2. ステンレス鋼へのメッキの可否
ステンレスに対してメッキは可能です。材料の特性上、前処理が特に重要です。メッキがうまく付かない原因の一つに、ステンレスの表面に形成される不働態皮膜があります。
この皮膜はステンレスの耐食性を高める一方で、メッキの密着性を妨げることがあります。そのため、適切な前処理を行うことで、メッキが確実に付着するようにします。
3. ステンレス鋼へのメッキ処理の不具合
ステンレスに施されたメッキは、適切な工程で処理されていないと剥がれることがあります。また、使用環境が過酷である場合や、物理的な摩耗が多い場合にもメッキが剥がれやすくなります。
メッキの剥がれは、見た目の問題だけでなく、基材の腐食にも繋がる可能性があります。剥がれを防ぐためには、適切な前処理とメッキ方法の選択が必要です。
このように、ステンレスに対するメッキ処理には多くの注意点がありますが、適切な工程を踏むことで、その耐久性や美観をさらに高めることが可能です。
4. まとめ
ステンレス鋼は、もともと優れた耐食性を持つ素材ですが、特定の用途や外観をさらに向上させるためにメッキ処理が施されることがあります。適切な前処理を行うことで、クロムメッキ、ニッケルメッキ、金メッキなどがステンレスにしっかりと密着し、防錆性や耐摩耗性、装飾性を高めることが可能です。
当社は、ステンレス鋼へのメッキ処理に関する豊富な知識と技術を持ち、各種メッキ処理を通じてお客様の製品に付加価値を提供しています。
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【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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