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第5節 クロムメッキとクロームメッキは違うのか?

クロムメッキは、光沢ニッケルメッキの上に施され、光沢を保つ保護皮膜としてクロムメッキが使用されています。
下地の光沢ニッケルメッキをサチライトニッケルメッキ(つや消しのニッケルメッキ)、半光沢ニッケルメッキ、または下地をホーニング加工などで処理することによって、すぐれた耐食性または異なる外観をもって装飾性として使用されています。
また硬度も高いので工業用クロムメッキとして耐摩耗性を必要とする部品に用いられる。
現在使用されている代表的なクロムめっき浴の条件

低濃度浴は、排水処理及び省資源のために最近では多くの工場で装飾クロムメッキに使用されているます。
けいふっ化浴は、つきまわりおよび電流効率が良く、比較的に低温で作業できます。
陽極の溶解と管理が難しい欠点があり、工業用クロムメッキには用いられていません。
(1)装飾用クロムメッキ
装飾用クロムメッキ浴は、不溶性陽極を用いるため陽極からの金属補給はされません、クロム金属の補給は無水クロム酸で行います。
クロム酸はくみ出しやミストなどによる減少が多いので、分析によってその補給量を決定し補給を行います。
三価クロムは一般には1~4g/L が適当で、過少・過多いずれもつき回りと光沢を悪くします。
この三価クロムの濃度は陽極板の表面積で増滅で管理します。
硫酸はくみ出しとミストにより減少するが、その補給は経験上少なめに補給します。
硫酸濃度が増加した場合は炭酸バリウムによって除去します。
通常ろ過の必要はありませんが、沈澱物が多くなれば上澄み液を移しかえ、沈澱物を除去する。
クロムメッキにおいては、クロム酸の濃度に対する硫酸の量が重要です。
サージェント浴に代表されるようにクロム酸100 に対して硫酸1の比率が標準です。
硫酸がやや少ない場合は、均一電着性が良好となり、多い場合には光沢が良く、電流密度
を増すことができます。
クロムメッキは、つき回りが悪いので形状の複雑な製品では、30~40A/d㎡で5~15秒間ストライクメッキを行うか、補助陽極を用いるとよい結果が得られます。
銅、銅合金はクロム酸に侵食されやすいので、通電しながらめっき液に浸漬します。
クロムメッキ液の陽極は鉛合金を使いますが、新しい鉛陽極板は休止時に液中に入れておくと黄色のクロム酸鉛の皮膜が生じ、電導性が悪くなるので、メッキを行わない時や作業終了後は必ず引き上げて、ブラシで清掃しておきます。
(鉛陽極表面に過酸化鉛が生成すると変化は起こりにくい。)
(2)黒色クロムメッキ

黒色クロムメッキは装飾用としてだけでなく、工業用として多く使われています。
例えば、太陽熱吸収板、光学器械、医療器械、オートバイ部品などがあります。
黒色クロムメッキの色調は、電解条件や下地金属の性質により灰色から深黒色まで変化します。
黒色クロムめっき浴はクロム酸に硝酸ナトリウムなどを含有する浴が数種類実用化されていいますが、大電流を必要とするため冷却が必要です。
(3)工業用クロムメッキ

多くの機械的特性をもつ代表的な工業用メッキです。
クロムメッキとしては、装飾用も工業用も本質的な相違はなく、使用目的が装飾以外のもので比較的厚いメッキを工業用クロムメッキと区別しています。
(JIS8615 では2μm 以上と規定)
工業用クロムメッキに要求される基本的なスペックは、密着性に優れた厚いメッキをできる限り均一に施すことです。
工業用クロムメッキの機械的特性として、高硬度や耐摩耗性があり、サージェント標準浴でメッキした場合、Hv750~1000 程度の高硬度の皮膜が析出します。
作業においては治具は電流容量に余裕をもたせ、発熱を抑制することが必要です。
浴槽を大きくし浴中の電流濃度を小にして浴温の上昇を防止する。浴温の上昇が激しい場合は、冷却が必要です。

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