
溶融亜鉛めっき
当社の特徴:マスキング対応による部分めっき
当社では、溶融亜鉛めっき処理においてマスキング処理による部分めっきに対応しております。
必要な部分のみにめっきを施し、それ以外の箇所を保護することで、後工程での溶接・組立・導通確保など、お客様の用途に応じた仕上がりを実現可能です。
マスキング対応により、
-
指定部のみの防錆処理が可能
-
後工程との両立が容易
-
品質と機能を両立した設計対応
といったメリットを提供いたします。
溶融亜鉛めっきとは
溶融亜鉛メッキ(俗に「ドブメッキ」「ドブ付け」とも呼ばれます)は、鋼材を高温で溶かした亜鉛の中に浸すことで、表面に厚い亜鉛皮膜を形成する表面処理技術です。単なるコーティングとは異なり、亜鉛と鉄が反応して「合金層」が形成されることで、強固な金属結合が生まれます。このため、電気めっきや塗装と比べても耐久性・耐食性に優れており、長期間にわたって錆や腐食から鋼材を守り続けることができます。
過酷な屋外環境や海辺、工業地帯など、鋼材が厳しい条件にさらされるような場面で多く使用されており、橋梁・鉄塔・ガードレール・建築部材など、社会インフラを支える重要な用途に欠かせない処理方法です。
溶融亜鉛めっきの特性と注意点
溶融亜鉛メッキは、鋼材を約450℃前後の高温で溶融した亜鉛に直接浸すことで、表面に厚い亜鉛-鉄合金層と純亜鉛層からなる皮膜を形成する処理方法です。この皮膜は、電気亜鉛メッキに比べて非常に厚く、優れた防錆効果を長期間にわたり発揮します。
ただし、高温での処理であるがゆえに、いくつかの注意点があります。
● 熱による歪みへの注意
溶融亜鉛メッキ処理では、高温での加熱と急冷の影響により、加工品に熱応力による歪みや変形が発生する可能性があります。特に薄板や溶接部位が多い製品、また寸法精度が厳しい構造物については、設計段階から歪みへの配慮が必要です。
また、めっき槽に製品を浸漬して処理するため、製品のサイズや重量にも制限が生じます。大型構造物や複雑形状のものは、事前に処理設備との適合性を確認しておくことが重要です。
めっきの付着量と膜厚の関係
溶融亜鉛メッキの性能を評価するうえで、**めっきの付着量(g/㎡)や膜厚(μm)**は非常に重要な指標となります。これらは互いに密接な関係を持っており、以下の計算式で換算することができます。
めっきの膜厚から付着量を求める計算式
溶融亜鉛めっきの付着量計算式 A=7.2×t
A=めっきの付着量(g/㎡)
7.2=めっき皮膜の密度(g/㎤)
t=めっき膜厚(μm)
めっき付着量から膜厚を求める計算式
溶融亜鉛めっきの膜厚計算式 t=A÷7.2
t=めっき膜厚(μm)
A=めっきの付着量(g/㎡)
7.2=めっき皮膜の密度(g/㎤)
計算例(HDZ55の場合)
JISで規定されるHDZ55は、「付着量 550g/㎡ 以上」が条件です。
計算例;HDZ55 付着量550以上 t=550÷7.2≒76.38 膜厚76μm以上となります。









