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【メッキ技能士直伝】純水を用いた精密洗浄。品質と性能を守る最先端の技術

更新日:8月24日

精密洗浄は、製品の性能と品質を維持するために欠かせない工程です。特に、電子部品や半導体、医療機器、光学機器などの製造においては、微細な異物や汚染物質が致命的な問題を引き起こすことがあります。


当社では近年、需要の高い半導体製造装置に合わせ、アルミニウムに耐食性の高い無電解ニッケルめっきを施し、さらにクリーンルーム内での精密洗浄および梱包まで対応しております。


■INDEX■


  1. 精密洗浄とは


  2. 純水とは


  3. 精密洗浄における純水の役割

    3.1汚染物質の除去

    3.2残留物の防止

    3.3イオン汚染の防止


  4. 精密洗浄の適用範囲

    4.1半導体関連

    4.2医療関連

    4.3自動車関連


  5. 精密洗浄の処理環境


  6. まとめ


 

1.精密洗浄とは?

精密洗浄は、特に高い精度が求められる製品や部品の表面から、微細な汚れや不純物、微粒子、油分、化学物質などの異物を徹底的に除去する工程です。これは製品の性能と品質を維持するために欠かせない工程であり、特に電子部品や半導体、医療機器、光学機器などの製造においては、微細な異物や汚染物質が致命的な問題を引き起こす可能性があるため、非常に重要です。


2.純水とは

純水は、溶解しているイオンや不純物をほとんど含まない水を指します。電気伝導度が極めて低く、ほぼ不純物を含まないため、高い洗浄力を持ちます。一般的には、逆浸透(RO)やイオン交換樹脂を用いた処理で生成され、さらに高純度が求められる場合には超純水が使用されます。


3.精密洗浄における純水の役割

純水は、その高い洗浄力と化学的な安定性から、精密洗浄において重要な役割を果たします。具体的には以下の通りです。


3.1. 汚染物質の除去

純水は、汚染物質を効果的に溶解し、その高い純度により汚染物質の再付着を防ぎます。例えば、電子部品の製造において、純水洗浄により微細な塵や金属イオンを効果的に除去し、回路のショートや誤作動のリスクを軽減します。


3.2. 残留物の防止

一般的な水道水では、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が残留物として表面に残ることがありますが、純水を使用することで、洗浄後の表面が非常に清潔に保たれます。


3.3. イオン汚染の防止

純水は非常に低いイオン濃度を持つため、洗浄中に新たなイオン汚染を引き起こすリスクが少なく、特に半導体製造などにおいては必須です。


4.精密洗浄の適用分野

純水を用いた精密洗浄は、以下の分野で広く活用されています。


4.1半導体関連

半導体、電子部品、光学機器など、微細な加工が必要な製品では、非常に小さな汚れや異物でも製品の機能や信頼性に大きな影響を与える可能性があります。


4.2医療関連

医療機器、食品加工、バイオテクノロジーなどの分野では、細菌やウイルス、その他の汚染物質を完全に除去することが求められます。


4.3自動車関連

自動車部品や航空宇宙機器などの精密機械では、汚れや不純物が機器の動作に悪影響を与えないよう、厳密な洗浄が行われます。


5.精密洗浄の処理環境

精密洗浄は、通常クリーンルーム内で行われます。クリーンルームとは、空気清浄度が確保された部屋のことを指します。防塵室とも呼ばれ、電子工学、生命科学・医療、食品産業などで使用される空間です。クリーンルームの定義は、JIS Z8122 4001によると「空気中における浮遊微小粒子や浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、その空間に供給される材料、薬品、水やその他についても不純物、ゴミを取り除いて、ゴミを持ち込まないように管理された空間」とされています。

(コンタミネーションコントロール用語 JIS Z8122 4001より引用)


6.まとめ

精密洗浄は、特に高精度が求められる電子部品、半導体、医療機器、光学機器などの製造プロセスにおいて不可欠な工程です。純水は、その高い洗浄力と化学的安定性により、微細な汚れや異物を除去し、製品の品質と性能を維持するために重要な役割を果たします。純水を使用することで、残留物やイオン汚染のリスクを最小限に抑え、洗浄後の表面を清潔に保つことができます。

当社はクラス1000のクリーンルームでの精密洗浄対応が可能です。


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【著者のプロフィール】

代表取締役

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。

30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。




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