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【メッキ技能士直伝】電解脱脂の基礎:原理から電圧設定まで

更新日:8月8日

電解脱脂とは、金属表面に付着した油脂や汚れを電気化学的に除去するプロセスです。

通常、金属製品は製造過程で油や汚染物が表面に付着しますが、これらは後続の処理(例:メッキ、塗装)に悪影響を及ぼすため、確実に除去する必要があります。電解脱脂は、酸性またはアルカリ性の溶液中で行われ、効率的かつ均一に脱脂が可能です。


■INDEX■


  1. 電解脱脂の原理 1.1 電解脱脂剤 1.2 電解脱脂の電圧

  2. まとめ


 

1. 電解脱脂の原理

電解脱脂の原理は、電気分解と化学反応を利用しています。

金属を電解液に浸漬し、電流を流して処理を行います。このとき、カソード(陰極)では水素ガスが発生し、その発泡効果によって物理的に油脂を取り除くことができます。


一方、アノード(陽極)では酸素ガスが発生し、これが汚れや油脂を酸化分解します。こうして、金属表面の油脂や汚染物が効率的に除去されます。


1.1 電解脱脂剤

電解脱脂剤は、電解脱脂を行うために使用される特殊な化学薬品です。

アルカリ性のものが一般的ですが、特定の金属や処理条件に応じて、酸性の電解脱脂剤も使用されます。


これらは金属表面の汚れを効果的に除去するだけでなく、金属の腐食を防止するために腐食抑制剤が含まれていることもあります。


1.2 電解脱脂の電圧

電解脱脂における電圧は、処理の効果を左右する重要な要素です。

通常、アルカリ性電解脱脂では6~12V程度の直流電圧が使用されます。


電圧が高すぎると金属表面の損傷や過剰な酸化を引き起こす可能性があるため、適切な範囲での調整が必要です。


2. まとめ

電解脱脂は、金属表面に付着した油脂や汚れを電気化学的に除去するプロセスです。

電解脱脂の原理は、電気分解による水素ガスと酸素ガスの発生により、物理的・化学的に汚れを取り除くことにあります。


電解脱脂に使用される化学薬品、すなわち電解脱脂剤は、汚れの除去と金属の腐食防止に役立ちます。また、電解脱脂の効果は、電圧の設定によって大きく左右されるため、適切な範囲内での電圧管理が重要です。


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【著者のプロフィール】

代表取締役

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。

30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。




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