黒色メッキは、製品の外観に高級感や精密さを与えるために広く利用されています。黒色メッキにはいくつかの種類があり、それぞれが異なる特性と用途を持っています。主な黒色メッキの種類は以下の通りです。
■INDEX■
3.1マットブラックメッキの反射防止性能
3.2マットブラックメッキのデメリット
1.一般的な黒色メッキ皮膜の種類
黒色アルマイト
黒色ニッケルメッキ
黒色無電解ニッケルメッキ
黒色クロメート
黒染め処理
これらの処理、綺麗な黒色の皮膜ではありますが、黒色のメッキ皮膜を選ぶ目的で
最も多い目的の一つは反射防止の用途です。
2.反射防止とは
反射防止とは、光が表面に当たったときの反射を抑えるための技術や処理を指します。反射防止処理は、光の反射による眩しさや映り込みを防ぎ、より鮮明でクリアな視覚体験を提供することを目的としています。
3.反射防止目的に優れたマットブラックメッキ
マットブラックメッキは、その反射防止性能において非常に優れた特性を持つことから、多くの産業で注目されています。特に、光の反射を抑えたマットな質感が求められるデザインや、光学機器、精密機器において重要な役割を果たします。
3.1マットブラックメッキの反射防止性能
マットブラックメッキの最大の特徴は、その低い反射率です。他のメッキ処理と比較しても、反射率が極めて低く、光の映り込みや眩しさを効果的に抑えます。
画像処理などの装置に使いたいけれど、従来の黒色処理だと光が反射してしまう。
センサーのハレーションが、黒色クロメートや黒アルマイトなどの黒色皮膜では防ぎきれない。幅広い波長領域で反射を抑えたい。
マットブラックはこれらの要望に対し有効な皮膜です。
3.2マットブラックメッキ皮膜のデメリット
マットブラックメッキはその優れた反射防止性能や美しいマットな質感で多くの分野で使用されていますが、いくつかのデメリットも存在します。その一つが、下地の状態に影響されにくい点です。
通常、素材の表面にはヘアライン加工、鏡面加工、ショットブラスト加工などが施され、これらの加工により独特の外観が生まれます。しかし、マットブラック皮膜を施すと、これらの表面処理に関わらず、最終的な外観はすべて同じマットな仕上がりになります。つまり、下地の質感や加工が皮膜の上からはほとんど見えなくなってしまうのです。
4.まとめ
黒色メッキ皮膜は、その高級感や精密さから多くの製品で採用されており、特に反射防止を目的とした用途においては重要な役割を果たしています。黒色アルマイト、黒色ニッケルメッキ、黒色無電解ニッケルメッキ、黒色クロメート、黒染め処理といった各種黒色メッキはそれぞれ異なる特性を持ち、使用する目的に応じた選択が求められます。
中でも、マットブラックメッキは、非常に低い反射率を実現し、光の映り込みや眩しさを抑える性能が突出しており、光学機器や精密機器、画像処理装置などでの使用において特に有効です。しかし、その反面、下地の状態に影響されにくいというデメリットもあり、素材の加工や質感がマットな仕上がりに隠れてしまうことがあります。
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【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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