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【メッキ技能士直伝】表面処理技術の優れた進化、蒸着法の深掘りと応用分

更新日:2月14日

蒸着とは金属の試料を蒸発させて気化させた試料分子を基材の表面に堆積させ薄膜でコーティングする成膜方法です。


蒸着は気体中で皮膜形成を行うことから、ドライコーティングまたは乾式めっきとも呼ばれ、電気めっき、無電解めっき、溶融めっきなどは湿式めっきと呼ばれています。

蒸着は、物理蒸着(PVD)と化学蒸着(CVD)に分けられ、物理蒸着の中には真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどがあります。


本記事では広く利用されている乾式メッキの特徴などをご紹介します。


■INDEX■


  1. 物理蒸着(PVD) 2.1 真空蒸着 2.2 スパッタリング 2.3 イオンプレーティング

  2. 化学蒸着(CVD) 3.1 熱CVD 3.2 プラズマCVD 3.3 光CVD

 

1.蒸着とは




「蒸着」とは、物質を蒸発させて膜を形成する方法を意味し、素材の表面にコーティング成分を付着させるための表面処理技術のひとつとして知られ、特に切削工具や金型などの分野で、加工精度や耐久性の向上を目的として利用が広がっています。


蒸着には物理蒸着(PVD)と化学蒸着(CVD)に大別され、PVDには真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどがあり、CVDには熱CVD、プラズマCVDとレーザCVDなどがあります。



2. 物理蒸着(PVD)

物理的手法により成膜する方法です。一般的には「PVD」(Physical Vapor Deposition)と呼ばれています。


PVDは蒸気化した窒素(N)とチタン(Ti)を400-500℃の真空炉内で蒸気TiNに変化させます。それをプラズマなどによって、母材に物理的に衝突させ成膜させます。


真空(減圧)にすることにより、蒸発させるための加熱温度を下げることができ、また、余分な気体分子も減り蒸着が可能となります。後で述べる化学蒸着(CVD)と比べ、高温処理を必要としないため、対象物への影響が少ないという利点があります。


2.1 真空蒸着

真空蒸着は、高真空中で蒸着材料を抵抗加熱、あるいは電子ビーム加熱などによって蒸発させ、基板上に堆積させて行う加工技術です。

真空蒸着では、蒸発させる金属を加熱して気化させます。その際、蒸発源を気化しやすくするため、真空近くまで減圧して行う方法を真空蒸着と言います。気化した金属は、処理物表面に吸着されると、冷却されその表面で固化します。こうして金属被膜が形成されることとなりますが、この方法は主に純金属の蒸着に用いられます。例えば、CD(コンパクトディスク)はポリカーボネイトにアルミを蒸着して作られます。


2.2 スパッタ

スパッタリングの原理は真空蒸着やイオンプレーティングと大きく異なります。

スパッタリングは減圧容器内で蒸発源と処理物間に高電圧をかけ、同時にアルゴン雰囲気に保つことにより、アルゴンイオンが蒸発源(ターゲットと呼ばれる)に衝突して金属原子が放出され蒸着が行われる方法です。


2.3 イオンプレーティング

真空近くまで減圧した容器内で、蒸発源と処理物間に電圧をかけ、気化した金属をイオン化して蒸着する方法をイオンプレーティングといい、真空蒸着よりも密着性が高いので、工具や金型へチタン(Ti)やクロム(Cr)の蒸着を行う際に良く利用されています。


イオンプレーティングのラインナップとしましてTiC、TiN、TiCN、TiAINなどが形成でき、

皮膜の物性、色調などが異なります



3. 化学蒸着

CVD「Chemical Vapor Deposition」の略で、化学気相蒸着、化学気相成長、化学蒸着などと呼ばれています。


化学蒸着では、素材となる反応物質を気化させ、これを反応ガスと混合して反応室内に充填する。反応室内で、ヒーターによって熱された処理物にガスが接触すると、その熱平衡反応によって処理物表面に皮膜を形成される。化学蒸着は半導体製造に不可欠な技術であるが、皮膜のつきが良いことを利して金型などへの蒸着法としても利用されます。


3.1 熱CVD

熱CVDは、熱分解による生成物や化学反応によって、薄膜を形成する手法です。

加熱炉において処理物を所定の温度に加熱し、そこに反応物質、反応ガスおよびキャリヤガスを混合して流入し、これらのガス反応を利用して皮膜を生成する処理です。


反応物質は金属元素を供給するための、反応ガスは化合物を生成するためのもので、これらのガスとキャリヤガスとの平衡反応によって皮膜が生成されます。反応物質には塩化物などのハロゲン化物が用いられ、キャリヤガスおよび反応ガスには水素単独または他のガス(窒素ガス、炭化水素系ガスなど)との混合ガスを用いられます。


3.2 プラズマCVD

プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)は、反応室内でプラズマを生成し、基板に化学反応を促進して薄膜を形成する技術です。


低温で成膜でき、滑らかな表面を実現。プラズマが反応ガスを活性化し、高い反応性と薄膜品質を提供します。半導体製造などで幅広く利用され、熱に敏感な素材にも適しています。


3.3 レーザーCVD

レーザーCVD(Chemical Vapor Deposition)は、レーザー光を基板表面に照射し、原料ガスと反応させて化学反応により薄膜を形成する技術です。


レーザーの照射により高いエネルギーが集中し、低温で効率的な膜形成が可能。成膜温度が比較的低いため、滑らかな表面仕上げが得られ、半導体や光学デバイスの製造に適しています。



4. まとめ

蒸着は、物質を蒸発させて膜を形成する表面処理技術で、主に切削工具や金型などの分野で加工精度や耐久性の向上を目的として広く利用されています。


物理蒸着(PVD)と化学蒸着(CVD)に大別され、PVDには真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングがあり、CVDには熱CVD、プラズマCVD、レーザCVDなどが存在します。


物理蒸着の一種である真空蒸着は、高真空中で蒸着材料を加熱して気化させ、基板上に堆積させる方法です。スパッタリングは高電圧をかけたアルゴンイオンが蒸発源に衝突して金属原子を放出し、蒸着が行われる方法です。イオンプレーティングは真空中で金属をイオン化して蒸着し、密着性が高いため工具や金型に利用されます。


化学蒸着(CVD)は化学気相蒸着の一種で、反応物質を気化させ、反応室内で加熱された処理物に反応ガスと混合して皮膜を形成します。熱CVDは熱分解や化学反応により薄膜を形成する手法で、プラズマCVDは低温で成膜し、滑らかな皮膜を得ることができます。


レーザーCVDは基板表面にレーザーを照射して化学反応を促し、成膜を行う方法です。これらの技術は金型や半導体製造などで広く活用されています。


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            【著者のプロフィール】

代表取締役

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、 製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。

30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。 メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。




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