アルミニウムは、軽量で耐食性に優れているため、航空宇宙、自動車、電子機器などさまざまな産業で広く使用されています。しかし、その表面には酸化被膜が自然に形成され、他の金属と異なり、メッキ処理が難しいとされています。
アルミニウムへのメッキは、この酸化被膜を取り除き、耐食性や装飾性、導電性を向上させるために行われます。適切なメッキ処理を施すことで、アルミニウム部品の性能や耐久性を飛躍的に向上させることが可能です。
■INDEX■
1. アルミニウムへのメッキの前処理
アルミニウムへのメッキ処理では、前処理が極めて重要です。アルミニウム表面には酸化被膜が形成されており、これを除去しなければメッキの密着性が低下します。一般的な前処理プロセスには以下が含まれます
2. アルミニウムへのメッキ方法
アルミニウムへのメッキにはさまざまな方法がありますが、最も一般的な方法は以下の通りです。
電解メッキ
電気分解の原理を利用して、アルミニウム表面に金属を析出させます。主にニッケルや銅のメッキが行われます。電解メッキは、膜厚のコントロールが容易であり、高い精度が求められる部品に適しています。
無電解メッキ
化学反応を利用して、電流を使わずに金属を析出させます。無電解ニッケルメッキが代表的で、均一な膜厚が得られるため、複雑な形状の部品にも適用可能です。
アノダイジング
酸性溶液中でアルミニウムを陽極にして酸化させ、酸化被膜を形成します。これにより、耐食性や装飾性が向上します。アノダイジングは、メッキとは異なるが、表面処理の一環として考慮されることが多いです。
3. アルミニウムへのメッキのまとめ
アルミニウムへのメッキ処理にはいくつかの特徴があります。
メッキを施すことで、アルミニウムの耐食性が大幅に向上します。特に海洋環境や酸性環境での使用において効果的です。
無電解ニッケルメッキや銅メッキを施すことで、アルミニウムに優れた導電性が付与されます。これは電子機器の部品に利用されることが多いです。
メッキによって光沢や色調を調整できるため、装飾的な用途にも適しています。例えば、クロムメッキを施すことで、高級感のある外観が得られます。
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【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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