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めっき加工であなたの嬉しいを実現、アルマイトとは?その特徴や役割をご紹介。株式会社コネクション

更新日:2021年11月28日

アルミニウム材は軽量で加工しやすいとても便利な物質で、多くの人に馴染みも深い金属です。

そのようなアルミニウム素材には一般的にアルマイト(アルマイト処理)と呼ばれる表面処理が行われます。

アルマイト処理を行うことにより、アルミニウムはより活用の幅を広げ、ますます私たちの生活に欠かすことのできない存在となります。

一見、メッキの一種とも思えるアルマイトですが、実はメッキとは全くの別物です。

本記事では、そんなアルマイトに焦点を当てて、その効果や役割、工程をご紹介してゆきます。

アルマイト処理を検討している方のみならず、アルミニウム素材の製品をご検討されている方も是非参考にしてください。


(目次)

1.アルマイトとは

  ・アルミニウム材の特徴

  ・アルマイトの必要性

2.アルマイトの特徴

  ・アルマイトの構造

  ・メッキとの違い

  ・アルマイトの効果と役割

  ・アルマイトの用途

3.アルマイトの工程

  ・脱脂

  ・エッチング

  ・スマット除去

  ・陽極酸化

  ・封孔処理

4.アルマイトの種類

  ・カラーアルマイト

  ・硬質アルマイト

5.弊社の対応状況

5.まとめ


1.アルマイトとは

1.1.アルミニウム材の特徴


私たちの日常の中にも、アルミニウム材は広く浸透しています。

アルミニウムの特徴として最もよく知られているのは、とても軽量ということです。

質量は鉄の3分の1程度しかなく、そのため軽量化がニーズとなるものが多い現代では重宝されています。

例えば、飛行機の部品などでの適用はその代表的な例です。

また、柔らかくて成形がしやすいため、加工性も高いです。

単純に削ったり穴を空けるときの工具の消耗も少ないですし、とても薄いアルミホイルや複雑な形状のアルミサッシなどの製造も実現でき、そのことは私たちの生活にアルミニウムが浸透している一つの要因です。

リサイクル性も高く、現代において欠かせない金属です。

さらに、空気中の酸素と結びつき、表面に酸化皮膜ができるため、錆びにくい性質も持っています。


1.2.アルマイトの必要性


アルミニウム材は「錆びにくい」とは言うものの、実は全く錆びないわけではありません。

自然に発生する酸化皮膜は非常に薄いため、それによって完全に錆を防止することはできません。

また、アルミニウムの「柔らかい」という性質はメリットにもなりますが、表面が剥き出しのままでは傷つきやすくなってしまうなどのデメリットにもなってしまいます。

そのため、アルミニウムには耐食性や硬度向上を目的とした表面処理を行う必要があります。

その最も一般的な方法がアルマイト(処理)です。

アルマイトとは、アルミニウム材を陽極で電解処理し、表層に酸化皮膜を生成させる表面処理法です。

自然の状態では薄くて錆の発生も考えられる酸化皮膜を意図的に厚いものにし、耐食性を向上させるのです。

さらに、この酸化皮膜は硬度が高く、表面を硬くすることでの強度や耐摩耗性の向上にも繋がります。


2.アルマイトの特徴

2.1.アルマイトの構造


アルミニウムを陽極とし、硫酸やシュウ酸、クロム酸など電解液中で電解させると、アルミニウム表面に酸化皮膜を生成させることができます。

皮膜の厚さは電解液中に通電した電流の量で決まります。

構造としては、蜂の巣のような形状(ハニカム構造)をしており、中央にポアと呼ばれる穴が空いていることが特徴です。


2.2.メッキとの違い


よく言われるのは、このアルマイトはメッキの一種ではないか?ということです。

実はアルマイトとメッキは明確に違うものです。

処理時においては、メッキはメッキしたい素材を陰極にするのに対し、アルマイトはアルミニウム素材を陽極とします。

それだけでなく、皮膜の出来方にも違いがあります。

メッキは表面に別の金属の皮膜を付着させ、機能をもたせる表面処理です。

一方でアルマイトはアルミニウム自身の酸化物が皮膜となり、機能を有します。

メッキは素材表面に付着してゆくだけですが、アルマイトの場合は素材内部にも同じぐらいの速度で反応が進展します。

例えば、アルマイトの皮膜の厚みが10μmの場合、元の素材の表面から5μmは厚さが増しますが、残りの5μmは内部に向かって進展してゆきます。

素材内部まで皮膜が進展している分、アルマイトの方がメッキより剥がれにくい構造になっています。




2.3.アルマイトの効果と役割


アルマイト処理したアルミニウムには以下のような効果が表れます。

・耐食性

アルミニウム素材のままだと変色や腐食しやすいこともありますが、アルマイトすれば化学的に安定し、耐食性が向上します。

ただし、アルカリ性の環境下には弱いです。

・硬度

合金にもよりますが、一般的にアルミニウム素材は柔らかく、そのままでは傷などもつきやすいです。

アルマイト処理すれば表面の硬度が上がり、傷もつきにくくなります。

また、耐摩耗性も向上します。

・熱伝導率

アルミニウム素材は熱伝導率が比較的高いですが、アルマイト処理すると熱伝導率は3分の1程度まで下がります。

・絶縁性

アルミニウム素材は通電性が高いですが、アルマイト皮膜は電気を通さず、優れた絶縁性を発揮します。

アルマイト皮膜が剥がれていないかを確認するために、通電の有無で確認する場合もあります。

・表面の脆さ

アルマイト皮膜自体は脆い物質なので、処理後に曲げなどの変形をさせると皮膜が破壊されてしまいます。

変形を利用する塑性加工などを行うときは、アルマイト処理前に行うことをお勧めします。

・美観性

皮膜自体は無色透明で質感に大きな変化はありませんが、アルマイト処理したアルミニウム材は着色することも可能です。

この着色については後述します。


2.4.アルマイトの用途


アルミニウムの製品は建築材料などあらゆる環境下で使用されることも多く、主に耐食性や硬度の性質を目的にアルマイト処理されることが一般的です。

また、身近な例だと、アルミ製の耐久性の高い弁当箱ややかんなどもアルマイト処理されたアルミニウムです。

また、絶縁性を利用してコンデンサなどに利用される例もあります。

着色したアルマイトは装飾にも広く利用されます。


3.アルマイトの工程

アルマイトとはどのような工程で行うのか、段階ごとにご紹介します。


3.1.脱脂


アルミニウム材料は製造や加工の段階で表面に油分が付着してしまいます。

この油分は酸化皮膜の密着不良を起こしてしまうことがあります。

したがって、まず始めはこの油分を取り除く脱脂工程です。

通常の金属の脱脂にはアルカリ性溶液を使いますが、アルミニウムは酸性にもアルカリ性にも溶けてしまう両性金属なので、中性や弱アルカリ性の溶液を用いることが多いです。


3.2.エッチング


次に、前の脱脂工程で取り切れなかった油分や自然に発生したアルミニウム材表面の酸化皮膜を取り除きます。

この工程をエッチングといいます。

エッチングには水酸化ナトリウムを用います。


3.3.スマット除去


エッチングによって表面に不純物が析出してしまいます。

アルミニウム合金の場合、合金成分である銅やケイ素といった金属が析出することもあります。

このような物質をスマットといいます。

このスマットも取り除かなければ、酸化皮膜の生成を邪魔してしまいますので、この段階で取り除きます。

スマット除去には硝酸などが用いられます。

ここまでの工程を合わせて「前処理」と呼びます。


3.4.陽極酸化


この工程がアルマイトのメインとなる工程です。

アルミニウムを電気分解の陽極側に設置し、硫酸やシュウ酸といった電解液中で通電します。

通電に伴って、水の電気分解と同様、溶液中の酸素が陽極側に発生します。

陽極にあるアルミニウムとここで発生した酸素が反応し、酸化アルミニウムとなったものが酸化皮膜です。

酸化は表面から外側にも内側にも進展しますので、アルマイトの場合はメッキと違って素材内側にも皮膜が成長してゆくことになります。

また、皮膜の成長を最初から観察してみると、はじめはバリアのように表面全体に凹凸なく皮膜ができます。

その後、表面に凹部が発生し、皮膜が厚くなるに従って、直径10~30ナノメートルぐらいのたくさんの穴が空いたような皮膜として成長してゆきます。

この穴がポアと呼ばれるものです。


3.5.封孔処理


陽極酸化によってアルマイトの生成は完了しているのですが、アルマイト後のアルミニウム表面は化学的に活性で、空気中の酸素や他の物質とも反応しやすい状態になっています。

また、このままではポアという穴が空いている状態で、表面積が大きな状態になっています。

この状態のままだと、手で触って表面についた指紋もなかなか落ちないような状況になってしまいます。

したがって穴を封じて、化学的にも安定化することによって、耐食性や耐汚染性を向上させます。

封孔処理には、加圧水蒸気処理、沸騰水処理など水和反応で体積が膨張することを利用して穴を塞ぐ方法や、酢酸ニッケル、酢酸コバルトなどを用いて金属塩で穴を塞ぐ方法などがあります。

なお、封孔処理のように陽極酸化後に行う工程のことを後処理といいます。


4.アルマイトの種類

4.1.カラーアルマイト


アルマイトするアルミニウム材はさまざまな色に着色することができます。