知っていますか?皆様の手元にあるスマートフォンにはめっき処理を施した部品が大量に使われている事を。

スマートフォンにはめっき処理が満載です。
日々、新たな機種が発表され市場へと送り出されているスマートフォンやタブレット。技術革新が著しいこの情報端末には沢山のめっき処理された部品が使われています。
スマートフォンやタブレットなどには沢山のめっき処理された部品が使われていますが、端末の中に使われているため普段皆さんの目に触れることはほとんどありません。
普段目に触れることの少ないスマートフォンの中身を一緒に見ていきましょう。
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スマートフォンに使われているめっき処理

スマートフォンの中を見ると、電池(バッテリー)が大きなスペースを占めていることがわかりますね。省電力化が進んでいるとはいえ、高機能化に伴いスマートフォンは多くの電気を消費するので、バッテリーはどうしても大きくなるのです。それに比べ、他の部品が想像以上に小さい気がしませんか。軽量化、省スペースが進み、どの部品も超小型になっています。また、タブレットもスマートフォンとほぼ同じ機器構成でできています。
このように小さなスペースに機能を凝縮できるようになった背景には、めっき処理の貢献がとても大きいのです。配線や電子部品の接続などはめっきが多く使用され、スマートフォンには電子部品が約1500個使われていると言われています。約1500個の電子部品にもめっき処理された部品が使われています。
制御のすべてを集約したメイン基板
スマートフォン・タブレット端末の中身で、一番に目に付くのがメイン基板です。制御部品、電子部品、ユニットはすべてメイン基板につながり制御されています。メイン基板をご覧いただくと、茶色の線がありますが、この茶色の線は銅配線と呼ばれ、銅めっきにより作られており、すべて電気的な配線の役割を果たしています。
銅配線は、小型化、高機能化が進む程に線の幅が細くなり、線と線の間も狭くする必要があります。小型化、高性能化を進める上で精密な配線技術が必須となりますが、その精密な配線技術をめっき処理で実現しております。
情報処理の中心 CPU
スマホやタブレットの製品説明を見ると必ず「CPU:○○○○○ ○○Hz」など記載されています。それを基準に購入される方も多いでしょう。 そのCPU(Central Processing Unit)にも、多くの部分でめっき処理が使われています。CPU内での配線(回路形成)が主な使用範囲です。CPU内の配線は極めて精密で、肉眼では分からないレベルの配線を行う必要があり、その製作には高度な技術が必要となります。
CPUのコア(回路のある中心)部分は、シリコンの塊でできていてシリコン上に回路が作られていますが、そのシリコン部分の回路とメイン基板などへの接続にもめっきの技術が使われています。
上記の他、スマートフォン・タブレット端末には、多くのところでめっきが使われて、さまざまな用途で活躍しています。その一例をご紹介します。
コネクターへのめっき処理
コネクターは、外部機器とのデータのやり取りをするためのケーブル差込口です。電気信号のやり取りを行うため、確実に通電させる必要があります。また、常時抜き差しされるので耐久性も要求されます。コネクタには金めっきが利用されています。
基板へのめっき処理
基板にはチップ抵抗やチップコンデンサーが装着されておりますが、基板上で電流の調整や整流作用などを行う為に、欠かすことができない部品です。
部品の両サイドにハンダ接合目的のスズめっき処理が使われています。
まとめ
皆様の手元にあるスマートフォンにはめっき処理を施した部品が大量に使われている事を知って頂けたと思います。
日頃手放す事のできなくなったスマートフォンですが、あの小さな端末の中に沢山のめっき処理された部品が使われている事を知って頂けたと思います。
メイン基盤には銅めっき、コネクタには金めっき、チップコンデンサーにはスズめっきが利用されています。 一つの製品の中にもさまざまな目的に応じためっき処理が利用されています。 スマートフォンの中に多く使われているめっき技術は、長期使用に対しても信頼して使用できる必要性があります。
密着性、耐食性など信頼性を維持するめっき処理が施されています。
めっきは種類が多く、それぞれに目的や用途により使い分けを行う必要があります。
ご使用の目的など弊社の担当者に伝えて頂ければ目的に応じためっきをご提案させて頂きます。
お急ぎの方はこちら 直通電話 090−6819−5609
【著者のプロフィール】

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、 製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。 メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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