めっき処理って何?どんな目的でめっき処理が利用されているかご紹介!
装飾性(美しく)
一般的にめっきという言葉で最初にイメージされるのは装飾用途が多いでしょう。
現在でもアクセサリーや調度品、自動車のインテリア・エクステリアにも多くめっき処理された部品が利用されています。 装飾という言葉通り、見た目の美しさや高級感を得るために使用されるほかに、実は軽量化も大きな目的の一つになります。
例えば自動車の場合、エンブレムやバンパー・フロントグリル・内装のインパネフレームなどにプラスチック製品に装飾めっき処理を施した部品が使われていますが、これらをすべて金属製品にしてしまうと、車両重量が重たくなり燃費にも、走行性能にも悪影響を与えてしまいます(もちろん、製造コストも高くなります)。
装飾用途は、見た目の美しさ・質感のためだけのものではないのです。
防食性(さびない)
さびるとは、大気や水・海水などに含まれる酸素(O)または塩素(Cl)と金属が結合した状態のこと。では、金属はさびると、どうなるのでしょう?
まず、見た目が悪くなりますが、問題はそれだけではありません。ものの安全性・信頼性にも大きな影響を与えます。例えば、物を固定するためのねじがさびると脆くなって、機能を果たせなくなり故障や事故の原因になります。
さびないことは、製品本来の機能を維持するための必要な対策なのです。
鉄をさびから守る
私たちの暮らしや産業で最も利用され、さびとは切っても切れない関係の金属材料と言えば鉄です。鉄は自然界では酸素と一緒の状態で存在していますので、さびることは鉄にとってごくごく自然なことです。鉄と酸素が一緒になるとそれだけで安定し、強い結びつきになってしまい鉄同士の結びつきが弱くなります。 つまり、さびた鉄は、非常に脆くなってしまいます。
そこで、鉄本来の強さや柔軟性を保つためには、鉄の表面が酸素と接触しないようにする必要があります。そこでめっき処理の出番がやってくるのです。
めっき処理のさまざまな役割
めっき処理には、その特性から生まれるさまざまな機能があります。その機能を利用して、現代の多くの分野で活躍しています。では、それぞれの特性ごとに、その役割と代表的な使用例を見ていきましょう。
<電気特性> ほとんどの電気製品に活用される
近年のめっき処理の代表的な機能の一つです。めっき皮膜として使用される金属の電気・磁気の特性を機能として利用します。製品の外側からは見えない場合が多いですが、電気を使う製品のほとんどに使用されています。
<機械特性> 機械部品の性能を向上
機械・装置で使用される部品にも、めっき処理された部品が多く使われています。めっき処理することで、部品自体に新たな機能を持たせたり、性能を向上させる効果があります。
<その他の金属特性> 抗菌・耐久など、新たな機能を追加
めっき皮膜が金属であることの利点を活かし、製品に新たな機能を追加します。
まとめ
めっき処理が現代のさまざまな場所で使われていることの一端を、ご覧いただきました。
身近な家電・電子製品に触れたときに、中身にめっき処理の技術が使われているかも? と、皆さんに思っていただけると幸いです。
特に機能に関しては、めっき処理がものづくりのキーテクノロジーと言われる理由がご理解いただけたのではないでしょうか。
めっきは種類が多く、それぞれに目的や用途により使い分けを行う必要があります。
ご使用の目的など弊社の担当者に伝えて頂ければ目的に応じためっきをご提案させて頂きます。
お急ぎの方はこちら 直通電話 090−6819−5609
【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、 製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。 メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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