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【メッキ技能士直伝】パラジウム金属とパラジウムメッキは何が違うのか??

更新日:2023年8月30日

パラジウム金属の特徴

パラジウムは銀白色の金属です。

以前は水銀との合金であるアマルガムとして歯科治療で虫歯の穴に埋める材料として多用されました。しかし、水俣病などで水銀の毒性が知られるようになってからは用いられる事がなくなりました。

パラジウムは他の貴金属合金の割金としても用いられています。


物理的性質

比重12.02で、融点は1554℃、沸点は3140℃です。

モース硬度は4.75で、地殻での存在度は1ppb(10億分の1)


水素吸蔵性



金属の中には水素ガスを吸収して溜め込む性質を持つ金属があります。

このような金属を水素吸蔵金属と呼びます。

形状的(スポンジ形状)に水素を吸蔵するのではなく、金属自体が水素を吸蔵するものになります。

金属が水素(気体)を吸収するイメージはあまり無いと思いますが、金属結晶は拡大してみますと粒子同士がくっついて形成されていますが、粒子の結合ですので隙間ができておりその隙間に水素原子が入り込みます。


パラジウムは水素吸蔵能力の大きな金属で、自分の体積の約900倍の体積の水素を吸収することができます。

この能力は水素ガスの運搬や貯蔵に用いることも可能です。


触媒機能



パラジウムのもう一つの能力はプラチナ同様の触媒機能です。

パラジウムはクロスカップリング反応において2個の分子を結合する役割をします。

有機化学合成において大きな役割となるものと考えられます。


クロスカップリング反応とは2個の分子を分子を結合する反応です。


まとめ

パラジウム金属とパラジウムメッキどちらも水素吸蔵性、触媒機能を持たせる事が可能です。

そのほかにパラジウムめっきの用途としては、耐食性や耐摩耗性の求められる分野や、耐酸化性や熱的安定性、非磁性、電気伝導性やはんだ付け性などが要求される電気的接点やスイッチ部品・コネクター部品等の電子部品に適用されています。


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【著者のプロフィール】

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、 製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。

30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。 メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。




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