耐摩耗性・潤滑性

物理的な運動の中で金属の摩耗を少なくするためには、①硬い微粉末を共析させて硬いメッキ皮膜を形成させる方法、②自己潤滑性を有する微粒子を共析させて潤滑性の高いメッキ皮膜を作る2つの方法があります。

①の微粉末を共析させて耐摩耗性を向上させる目的では、シリコンカーバイト:SiC、タングステンカーバイト:WC、アルミナ:Al2O3、二酸化ジルコニア:ZrO2などの微粒子を共析させた複合メッキを施すと、一般的なニッケルメッキに比べて約70%も耐摩耗性が向上します。

②の自己潤滑性を有する微粒子であるフッ素高分子:PTFEやフッ化黒鉛を共析させたメッキは、低摩擦係数で極めて低い摩擦係数を持つ皮膜になります。

機械の損傷の多くは摺動部品の摩耗に関係して発生しています。連続生産ラインの鋳型、金型、シリンダー、ロールなどが損傷すると、部品交換に伴う費用だけでなく、ライン休止による被害も甚大です。

このため機械部品では、摩耗に対する耐久性が求められ、様々な表面処理が使われております。

耐摩耗目的に対し工業用クロムメッキが摩耗性に優れているため頻繁に使用されておりますが、クロムメッキ皮膜の硬さは高くなるほど摩耗量が小さくなります。このような関係は、砥粒などの硬い粒子との摩耗状況(アグレッシブ摩耗)で認められています。

しかし、実際の摩耗状態は硬ければ摩耗量が少ないという話だけにはならず、物が擦り合わされると、擦り合う金属間の溶着(凝着摩耗)、接触麺の振動による摩耗(フレッチング摩耗)、表面での酸化膜形成とその破壊による摩耗(腐食摩耗)、高圧の液体や蒸気の流動による摩耗(エロージョン)も起こる。

また、使用時の潤滑剤の有無、印加された圧力、使用の温度や湿度、汚染物質の存在、摩耗した粉なども摩耗現象に影響します。

摩擦力を小さくすることで摩耗を減らす方法もあります。

摩擦力を小さくするには、柔らかい金属や低摩擦係数のメッキ皮膜が有効です。

低負荷でのベアリング、軸受などにはなじみ性の優れたスズメッキ、インジウムメッキ、銀メッキ及びその合金メッキが用いられています。

低摩擦係数のメッキ皮膜としては、潤滑性のある二硫化モリブデン、グラファイト、フッ化黒鉛、フッ素高分子などを複合化させたニッケルメッキ、銅メッキ、無電解ニッケルメッキなどの皮膜が用いられています。

 
​【耐摩耗性・潤滑性に有効なメッキ処理】
テフロン無電解複合メッキ

 

テフロン無電解複合メッキは、無電解ニッケル皮膜をベースの金属とし、皮膜中にフッ素高分子(テフロン:PTFE)を複合共析させた皮膜で、フッ素高分子の特性により、低摩擦係数の皮膜で潤滑性に必要な箇所に用いられています。

硬質クロムメッキ

 

硬質クロムメッキ(工業用クロムメッキ)皮膜は非常に硬度の高い皮膜のため、耐摩耗性が他の金属に比べ優れています。シリンダーやローラーなどに多く用いられています。

スズメッキ

 

摩擦力を小さくするには、柔らかいメッキ皮膜が有効です。

低負荷でのベアリング、軸受などにはなじみ性の優れたスズメッキ及びその合金メッキが用いられています。

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