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装飾用金及び金合金めっき
JIS H8622

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1. 適用範囲

この規格は,金属及び非金属素地上に装飾用の目的(1)で行った,有効面(2)の厚さ0.3 μm以上の金及び金合金電気めっき(以下,めっきという。)について規定する。 

(1) 装飾用の目的とは,主に時計,装身具,身辺雑貨などに用いることを目的としたもので,外観,耐磨耗性などが重要視されるめっきをいう。 

(2) 用途上重要な表面をいう。 

備考1. 成形された部品についてだけ規定する。 

備考2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS H 0400 電気めっき用語 

JIS H 0404 電気めっきの記号による表示方法 

JIS H 8501 めっきの厚さ試験方法 

JIS H 8502 めっきの耐食性試験方法 

JIS H 8503 めっきの耐磨耗性試験方法 

JIS H 8504 めっきの密着性試験方法 

JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験方法 

JIS Z 2251 ヌープ硬さ試験方法 

2. 用語の定義

この規格で用いる主な用語の定義は,JIS H 0400によるほか次による。 

(1) 金めっき 金含有率が99.9%以上の電気めっき。一般に軟質めっきである。 

(2) 金合金めっき 金含有率が58.5%以上99.9%未満の電気めっき。めっきの硬さは,金めっきに比べて一般に高い。 

(3) 多層めっき 金含有率の異なるめっきを2層以上重ねて行うめっき。 

 

3. 記号

めっきの記号は,金めっきの元素記号Auの前に装飾用を表す記号Dを付け,ハイフン“−”でつないで表すほか,JIS H 0404による。

4. 品質 

4.1 めっきの外観

めっきの外観は,7.2によって試験を行い,めっきの有効面に,ざらつき,焦げ,割れ,ピット,端部での樹枝状晶の発達,素地又は下地めっきの露出などのめっきの欠陥,膨れ,はく離などの密着不良の徴候,更に汚れ,きずなどがあってはならない。 

備考 つや,輝き,色合いなどが指定される場合には,受渡当事者間の協定による。

 

4.2 めっきの厚さ

めっきの厚さは,受渡当事者間の協定によって指定する。厚さの試験は,7.3によって行い,有効面上のいかなる場所においても,指定されためっき厚さを満足しなくてはならない。 

参考 一般に用いられているめっきの最小厚さの分類は,参考表1のとおりである。 

 

参考表1 めっきの最小厚さによる分類 

めっきの最小厚さ μm 0.3, 0.5, 1.0, 2.0, 3.0, 5.0, 10.0, 20.0, 30.0, 40.0 

4.3 めっきの金含有率

めっきの金含有率(多層めっきの場合は,各層ごとの金含有率)が指定されている場合には,7.4によって試験を行い,金含有率は,指定された値を満足しなくてはならない。 

4.4 めっきの有孔度

めっきの有孔度が指定されている場合には,7.5によって試験を行い,有孔度は,

指定された値を満足しなくてはならない。 

 

4.5 めっきの耐食性

めっきの耐食性が指定されている場合には,7.6によって試験を行い,耐食性は,

指定された値を満足しなくてはならない。 

 

4.6 めっきの密着性

めっきの密着性は,7.7によって試験を行い,めっきにはく離又は膨れなどの密着

不良の徴候が現れてはならない。 

なお,曲げ試験において,めっきにはく離がなく,素地が割れによって破断した場合は,めっきの密着不良とはしない。 

 

4.7 めっきの硬さ

めっきの硬さが指定されている場合には,7.8によって試験を行い,硬さは,指定さ

れた値を満足しなくてはならない。 

 

4.8 めっきの耐磨耗性

めっきの耐磨耗性が指定されている場合には,7.9によって試験を行い,耐磨耗

性は,指定された値を満足しなくてはならない。 

 

5. 素地

めっき前の素地の状態は,めっきの品質に重大な影響を及ぼすので,特に,素地材料が発注者

から供給される場合には,発注者は加工仕様書などに,素地材料に関する情報を示さなくてはならない。 

6. 下地めっき

めっきの外観,耐食性,密着性などの向上の目的で下地めっきを行う場合には,そのめ

っきの種類及び厚さは,受渡当事者間の協定による。 

 

7. 試験 

7.1 試験片の作製

試験片は,原則として製品から作製する。ただし,めっき製品それ自体を試験片と

して用いることができない場合には,代替試験片によって試験を行ってもよい。代替試験片の作製は,可

能な限りめっき製品の作製と同じ材質の素地を用い,同じめっき条件で行わなくてはならない。 

 

7.2 外観試験

外観試験は,附属書1による。 

 

7.3 厚さ試験

厚さ試験は,JIS H 8501に規定する顕微鏡断面試験方法,蛍光X線式試験方法,β線式試験方法若しくは測微器による試験方法のいずれかによるか,又はISO 4524/1による。めっきの厚さは,μmの単位で,小数点以下第1位まで表示する。

7.4 金含有率試験

金含有率試験は,附属書2又はISO 4524/4による。 

金含有率は,質量百分率で,小数点以下第1位まで表示する。 

 

7.5 有孔度試験

有孔度試験は,附属書3又はISO 4524/3による。 

 

7.6 耐食性試験

耐食性試験は,JIS H 8502に規定する中性塩水噴霧試験方法若しくはキャス試験方法のいずれかによるか,又はISO 4524/2による。 

なお,試験時間は受渡当事者間の協定による。 

 

7.7 密着性試験

密着性試験は,JIS H 8504に規定するテープ試験方法,熱試験方法若しくは曲げ試験

方法のいずれかによるか,又はISO 4524/5による。 

なお,曲げ試験方法における曲げ回数などは,受渡当事者間の協定による。 

 

7.8 硬さ試験

硬さ試験は,JIS Z 2244又はJIS Z 2251に規定する試験方法を用いて,0.098 07 N以上の

試験荷重で,めっきの断面又はめっきの表面において行う。 

 

7.9 耐磨耗性試験

耐磨耗性試験は,JIS H 8503に規定する試験方法のいずれかによるか,又は受渡当

事者間の協定によって有効性が認められた方法による。 

 

 

8. 検査

検査は,次によって行う。 

(1) 検査のための試験片の数,その試験片の抜取方法,検査順序及び検査対象箇所並びに試験片の代替使用は,受渡当事者間の協定による。 

(2) めっきは,7.によって試験を行い,4.の規定に適合しなくてはならない。 

9. めっきの呼び方

めっきの呼び方は,JIS H 0404による。 

例1. 黄銅素地、光沢ニッケル下地メッキ上に、厚さ5μm以上の装飾用金メッキ

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黄銅素地、光沢ニッケル下地メッキ上に、厚さ5μm以上の装飾用金メッキ

注* 黄銅素地

例2. 亜鉛ダイキャスト合金素地、厚さ10μmの銅下地メッキ及び厚さ5μmの光沢ニッケル下地メッキの上に、厚さ0.5μm以上の装飾用金メッキ、透明ウレタン塗装仕上げ。

Ep-Zn※_Cu 10, Ni 5 b, D-Au 0.5_PA※※

注* 亜鉛ダイキャスト

※※ 透明ウレタン塗装仕上げ

例3. 鉄鋼素地、光沢ニッケル下地メッキ上に、厚さ10μm以上、金含有率60%の装飾用金合金めっき及び厚さ3μm以上、金含有率90%の装飾用金合金メッキの2層メッキ。

鉄鋼素地、光沢ニッケル下地メッキ上に、厚さ10μm以上、金含有率60%の装飾用金合金めっき及び厚さ3μm以上、金含有率90%の装飾用金合金メッキの2層メッキ。
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10.表示

送り状などに,次の事項を表示する。 

(1) めっきの記号 

(2) 加工年月日 

(3) 加工業者名 

(4) 発注書,加工仕様書などに記載されためっき品質についての試験結果 

11. 発注書又は加工仕様書への記載事項

発注者は,発注書又は加工仕様書などに,次の事項を記載しな

ければならない。 

(1) めっきの記号 

(2) めっき有効面(図面に指示するか,又は印を付した実物見本を提示するとよい。) 

(3) 外観(光沢,無光沢,色合いなど)(限度見本を提示するとよい。) 

(4) 最小金含有率及び合金添加元素 

(5) 素地材料の状態 

(6) 下地めっきの種類,厚さ 

(7) 多層めっきの場合,各層の金含有率と厚さ 

(8) 必要とするめっき品質とその試験方法 

(9) 検査方法 

関連規格 

JIS H 8620 工業用金及び金合金めっき 

JIS L 0848 汗に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS M 8115 粗金銀地金中の金及び銀の分析方法 

JIS Z 9001 抜取検査通則 

ISO 4523 : 1985 Metallic coatings−Electrodeposited gold and gold alloy coatings for engineering purposes

出典:JISハンドブック

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