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シルバーイヤリング

メッキとは

 

鉄鋼は素地のままではすぐに腐食され、赤いサビが発生します。この腐食は表面から次第に内部へと浸透し原形を留めない状態にしてしまいます。

鉄鋼だけでなく他の金属、例えば銅、銅合金アルミニウム合金などの金属表面の酸化され、 腐食や変色します。様々な金属の表面をいつまでも美しく保つために、腐食や変色に強い金属皮膜を母材に被覆する処理をメッキと言います。

めっきは腐食(さび)から保護するだけでなく、意匠性を持たせ製品 の不可価値を高めることや、表面を硬くして 磨耗を防ぐなど機能性を持たせる事ができます。

めっきの工法はいろいろありますが、最も代表的なものは「電気めっき」です。これは電気分解を利用してめっきする方法です。

その他のめっき法としては、電流を使わない無電解めっき、溶融した金属の中へ品物を 入れてめっきする溶融めっき、真空にした容器の中でめっきする真空めっきなどがあります。

一般にめっきや塗装のように品物の表面を加工することを「表面処理」と呼ばれています。

めっき処理は金属製品の寿命を著しく伸ばすことで資源を節約するのに大きく貢献しています。

めっきの歴史

めっきという言葉は、日本発祥の言葉で英語ではplatingと表現されます。

漢字では鍍金と書きますが、常用漢字に鍍の字がないため現在では「めっき」と書くのが正しい表現となります。

本来はひらがなのめっきで表現が正しい表現となります。

メッキの語源は「塗金」が「滅金」→「鉱金」→「鍍金」と変化したもので、「滅金」が「めっき」となり定着しました。

 

また、西洋技術の導入によって「電気鍍金」あるいは「電鍍」という言葉も用いられましたが、現在ではあまり使用されませんが、どちらもめっきを表現した言葉となります。

 

電気めっきを日本で初めて行われたのは1836年頃と言われており、鹿児島藩主 島津斉彬(しまずなりあきら)が初めて試みたと言われています。

島津斉彬は、安政元年に日本最初の軍艦昇平丸を建造し、日の丸の旗をかかげた人として有名であるが、桜島湾の沿岸に西洋流の新工場を建設し、製鉄を始めいろいろな工業製品を作り、鎧や兜の金具に金、銀の電気めっきを施しました。

現在のような電気めっきはガルバニ・めっきという名前でわが国に導入され、明治以 降、金・銀・銅のほかニッケル・鉄・黄銅・青銅などのめっきが行なわれるようになり、 美術装飾めっきから次第に工業化が進み急速に発展しました。

 

電気めっき技術としては、西欧ではすでに19 世紀中頃から金・銀・銅のようなめっきが盛んに行われていましたが、ニッケルめっきは1870年頃から、亜鉛めっき・黄銅めっきは1900年頃から、クロムめっきは1920年頃から、カドミウムめっきは1924年頃から行われました。

そのほかタングステン・モリブデンめっきは1922年頃から始まり、1934年にはレニウムめっきが発表されました。また鉛やすずめっきも古くから研究され、ロジウム・白金・イリジ ウム・パラジウムめっきも行なわれるようになりました。

特に第二次大戦後のめっき技術の進歩は著しく、各種光沢剤による光沢めっきの進歩、 高能率浴の開発、電流波形の変化によるめっき効果の向上、化学めっき法の普及、設備の自動化など多くの問題が解決されました。

めっき処理の用途

めっきは装飾的な用途や、素地金属を腐食から守る防食的な用途などで用いられていたが、近年電子部品など機能的な用途でめっきの需要が増加してきました。

 

装飾めっきとしては、銅-ニッケル-クロムめっきや二重(W)ニッケル-クロムめっきなどが自動車、自転車、オートバイなどに施されていましたが、素材の変更や塗装の採用などの影響で装飾メッキの加工量が大幅に減少しております。

最近では、新しい外観の合金めっきが用いられるようになってきました。

防食(腐食)用途には亜鉛めっきが多く利用されています。

亜鉛めっきに求められる耐食性は年々厳しくなっており、光沢クロメート処理よりも耐食性の優れている有色クロメート処理の割合が多くなってきました。

最近では自動車用途の耐食性がさらに厳しくなってきていることから、亜鉛-鉄合金めっき、亜鉛-ニッケル合金めっき、すず-亜鉛合金めっきなどの合金めっきも利用されるようになってきております。

 

機能的なめっきとしては、従来から用いられている工業用クロムめっきや電子部品へのめっきが中心です。

工業用クロムめっきは各種ロールやシリンダーのような磨耗の厳しい部品に利用されています。

また、近年の情報産業のめざましい発展に伴い電子部品の需要が増大しており、特にパソコンや携帯電話の普及はめざましく今後これら電子部品関連の機能的なめっき用途が一層拡大し、日本の表面処理産業の中心となって行くと思われます。

​電子部品などで使用されているめっき処理一覧

工業で使用されるメッキ

装飾めっきの動向と推移

装飾用めっきは、日用雑貨品から音響部品、自動車外装品、自動車部品、室内インテリ ア、照明器具、装身具などあらゆる生活分野の製品に適用されています。

製品の使用目的や使用環境は様々で、要求された装飾上の特性(高級感・金属感・ 汚染防止・耐食性・光反射性など)も様々です。

装飾用メッキは金属、プラスチック素地上に 銅めっきニッケルめっきクロムめっき、あるいはニッケルめっきクロムめっきが幅広く使われております。

装飾クロムめっきが施された製品の大半は鏡面光沢のある外観に仕上げられ、めっき製品と言えばキラキラ、ピカピカの“光り物”というイメージが広く伝わっております。

昨今のライフスタイルの多様化により、ユーザーは製品に感性を求めるようになり、装飾用めっきに対し多彩な外観(光沢度・模様)と多種の色調が要望され始めています。

ギラギラの光沢より、落ち着いた外観が、そして単一のクロム色より、黒色や渋 い中間色が好まれるように変化してきています。

そこで素地加工したり、特殊なニッケルめっきを下地のニッケルめっきに使用することで梨地調(つや消し)、ビロード調、パール調など非常に多彩な表面状態が得られるようになっております。

また、従来のめっき法では、色調は単一色がほとんどであったが、各種の合金めっきなどにより今までにない新しい色調を表現する試みが行われています。

このように、素地加工、下地ニッケルめっきの使用、合金メッキの適用などにより、外観・色調とも非常に多様化しています。

一方で、金色仕上げのめっきとして金めっきや銅-亜鉛合金めっき(黄銅めっき)が、 装飾クロムめっきと並んで広く用いられています。

装飾用めっきには古美(こび)仕上げと呼ばれ、銅めっきや黄銅めっきなどに黒色の濃淡のぼかしを付与し、独特の色調を出す方法があります。

防食めっきの動向と推移

素地金属の腐食を防止するめっき方法として、素地金属より卑な金属で被覆するバリヤー型のめっき方法と、素地金属よりも卑な金属で被覆する犠牲防食型のめっき方法があります。

防食用のめっきとしては、安価でかつ鉄に対して優れた犠牲防食作用を有する亜鉛めっきがよく利用されています。しかし、亜鉛めっき表面には大気中において白錆(水酸化亜鉛あるいは、塩基性炭酸亜鉛)が生成しますので、後処理としてクロメート処理が行われております。

その他の防食めっきとしては、航空機の高張力銅部品の防食と水素脆化防止を目的としたカドニウムめっきが使用されています。

カドニウムめっきは、塩水環境下にて耐食性に優れていることから、航空機部品などの一部利用されていますが、環境問題の観点から最近では航空機部品へめっき処理は、防食性が優れ、水素ぜい性に優れているカドニウムチタン合金めっきに移行しつつあります。

自動車業界では、自動車車体及び部品の防錆対策が強く求められています。

これは、米国、カナダ、北欧諸各国において、冬期に路上凍結防止に使用された岩塩散布量の増加に伴う自動車車体の腐食が社会問題となり、自動車車体の防錆基準の法的規制の施行が背景にあります。

また、1983 年に提示されたノルディクコード及び米国の三大自動車メーカーが打ち出した防錆目標には、車体だけでなく自動車部品の防錆保証も含まれています。

自動車の生産台数の半数をこれらの地域に輸出している日本の自動車メーカーは当然これらの規制を受け、対策として自動車車体の材料については、鋼板から亜鉛メッキ鋼板へと移行しつつあります。

しかし、自動車車体防錆鋼板として要求される加工性・溶接性を損なうことなく、防食性及び塗膜接着性にすぐれた亜鉛めっきという命題に対して、従来の単一亜鉛めっきではこれらのニーズに対応できないことから、鉄鋼メーカーを中心にして、亜鉛-鉄合金めっき、亜鉛-ニッケル合金めっき、亜鉛-鉄二層合金めっき、亜鉛-鉄-亜鉛-ニッ ケルニ層合金めっき、亜鉛-アルミナ複合めっき、亜鉛-ニッケル/シリカ複合めっき、溶融亜鉛めっきなどの研究開発が精力的に進められ一部実用化するに至っています。

一方、ボルト、ナット、スプリング、オイルシール燃料パイプなどの小物自動車用部門の防食性能を向上させるために、クロメート処理を施すことを前提とした亜鉛-ニッケル、 亜鉛-鉄、すず-亜鉛合金めっきが実用化されつつあります。

機能用めっきの動向と推移

めっきを行う事で目的とする機能性(皮膜硬度、絶縁性、耐摩耗性、摺動性など)を持たせためっき処理を「機能めっき」 (Fanctional Plating,Engineering Plating)と呼んでいます。

機能性めっきには耐磨耗性、離型性のための工業用クロムめっきや、はんだ付けのためのスズめっき、軸受け用の鉛合金めっき、レーザー光線反射用の金めっきなど様々な機能性に対しめっき処理が使用されています。

「機能めっき」に広く関心が寄せられるようになったのは、近年の電子工業の 急激な発展に起因しています。

近年、エレクトロニクスの発達は目覚ましく、電子工業を中心とした各種関連工業が急速に発展しており、関連工業の一つであるメッキ処理においても、めっき皮膜に対する要求が大きく変化すると同時に多種多様化してきています。

めっきの代名詞であった装飾及び防食めっきとは異なった、新しい機能特性が注目されるようになり、その特性に応じた新たな用途に使用されるようになっております。

我々の日常生活を顧みると、機能めっきの関与する製品の極めて多く、テレビ、ビデオ等のほとんどの電化製品の内部の電気配線には銅メッキによる プリント配線基盤や、ICチップ等の半導体部品には金めっき、銀めっき、高級カメラ、自動車、エアコン、パーソナルコンピュータ、 ファクシミリ、電卓等の部品にも同様に機能めっきが多用されています。

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