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​技術資料​陽極酸化『アルマイト』
JIS表記

 

​陽極酸化皮膜『アルマイト』のJIS表記、耐食性試験(アルカリ滴下試験、起電力測定試験)、耐摩耗試験(砂落とし摩耗試験、噴射摩耗試験、往復運動摩耗試験)の詳細です。

​陽極酸化『アルマイト』JIS表記

陽極酸化皮膜(アルマイト)のJIS表記

陽極酸化皮膜(アルマイト)の耐食性試験

​​(1)アルカリ滴下試験

この試験は日本独自のものです。【図1】に示すアルカリ滴下試験装置を用いて、35±1℃の恒温槽中で100g/Lの水酸化ナトリウム溶液を試験片上に順次滴下し、皮膜が溶け去るまでの時間(秒)でアルカリ耐食性を調べるものです。

​水酸化ナトリウム溶液の滴下量が少ないことから、20μm以上の皮膜の測定は不向きです。

​皮膜が溶け去ったかどうかの判定は、試験片を洗浄乾燥後、測定プローブを用いて50gの荷重で、回路計の直流抵抗5KΩ以下を導通とみなします。

耐食性試験

​(2)起電力測定試験

この試験は日本独自のもので、アルカリ滴下法の改良で、原理は一定面積の皮膜が水酸化ナトリウム溶液に溶解するまでの時間を試験値としています。

​試験は、【図1】に示す起電力測定試験装置を用い、35℃に保持された試験片に100g/Lの水酸化ナトリウム溶液1mLを皮膜に接触させ、素地が露出する際に、素地と測定セルとの間に発生する1mVの電圧を捉えて、アルカリ耐食性を調べる方法であります。

​アルカリ滴下試験に較べて、試験操作の容易さ、人為的誤差の解消、試験液が1mLと比較的多いことから20μm以上の厚膜の皮膜でも測定が可能であります。

起電力測定試験

陽極酸化皮膜(アルマイト)の耐摩耗試験

​(1)砂落とし摩耗試験

​【図1】に示すような装置を用いてめっき面に研磨材を規定の高さから落下させめっきの耐摩耗性を評価する試験です。

研磨材

人工研削材JIS R6111に規定した炭化ケイ素質研削材C#80を用いいる。予め110℃で十分に乾燥させ、デシケータ中に保存したものを使用する。

落下量

研削材の落下量は320±10g/分とする。

終点

素地が露出した時点

質量変化による判定式

WR=T/〈W1-W2〉

 WR:耐摩耗性〈S/mg〉

 w1:試験前の試料の重量〈mg〉

 w2:試験後の試料の重量〈mg〉

  T:試験時間〈S〉

(2)噴射摩耗試験

​【図2】に示す装置を使って研削材を圧縮空気で加速して試料上に噴射し、めっきの耐摩耗性を評価する試験です。

研磨材

人工研削材JIS R111に規定した炭化ケイ素質研削材C#100を予め110℃で十分に乾燥させ、デシケータ中に保存したものを使用する。

落下量

研削材の落下量は23±1g/分とする。

判定方法

1素地の露出を終点とする

2試料の摩耗深さの測定により判定する方法

32は一定時間噴射後の摩耗深さの最大値を表面粗さ計または、スプリット顕微鏡で求め計算する。

判定式

WR=T/t

 WR:耐摩耗性〈S/μm〉

  T:試験時間〈S〉

  t:摩耗の深さの最大値〈μm〉

(3)往復運動摩耗試験

​【図3】に示す装置を使って研磨紙を貼り付けた摩耗輪と試料との間に接触荷重を与えて往復運動摩擦を行いめっきの耐摩耗性を評価する試験です。

研磨紙

JIS R6252に規定した研磨しCCまたはWAの#240~600のものを用いる。

 

試料

80×80mm平板を標準とする。​

判定方法

質量変化またはめっき厚さ変化による判定

判定式

WR=N/〈w1-w2〉またはWR=N/〈t1-t2〉

 WR:耐摩耗性〈DS/mg〉または〈DS/μm〉

 w1:試験前の試料の重量〈mg〉

 w2:試験後の試料の重量〈mg〉

 t1:試験前のめっき厚さ〈μm〉

 t2:試験後のめっき厚さ〈μm〉

  N:往復回数〈DS数〉

対摩擦試験
噴射摩擦試験
往復運動摩擦試験

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