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第3節 一般的な銅メッキ(シアン化銅メッキ、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ)とは

銅メッキとは
銅メッキは鉄鋼素地、亜鉛ダイカストやアルミニウム素地上への下地メッキとして広く用いられています。
電気銅メッキ浴としては、シアン化銅浴、光沢ピロリン酸銅浴および光沢硫酸銅浴が一般的に使用されています。
シアン化銅メッキは、以前は広範囲に使用されていましたが、レベリング能力の不足とシア
ン排水処理の問題から限られた分野での使用に限られております。
シアン化銅メッキ浴よりレベリング作用が大きく、毒性の少ない弱アルカリ性の光沢ピロリン酸銅浴が使用されるようになったが、鉄素地に直接密着の良いメッキが得られないため、シアン化銅浴のストライクが必要です。
ピロリン酸銅浴は装飾めっきの下地めっきとしてはあまり使われていませんが、プリント基板のスルホールメッキとして用途が広がっています。
硫酸銅メッキは、従来鉄素地や亜鉛合金素地に直接密着の良いメッキができないことや均一電着性が良く無いことからあまり使用されなかったが、レベリング、光沢とも抜群の添加剤が開発され、プラスチック素地上のメッキとして使われるようになってきました。
光沢剤の改善により均一の電着性が大幅に改善され、管理が容易で物性にも優れ、また排水処理も容易なため、機能メッキとしてプリント基板のスルホールメッキなどに使われるようになってきております。
銅メッキの用途は装飾兼防食用の鉄鋼素地上のニッケル-クロムメッキの下地メッキとして使用されていますが、その他にもプラスチック素地や亜鉛ダイカスト素地の下地メッキとしても利用されています。
また銅の電気伝導性の良さを利用して、機能部品の導電部に使用する用途が増えています。
(1)シアン化銅めっき
①ストライク銅めっき
鉄鋼、亜鉛ダイキャストに直接メッキが施す事ができるため、鉄鋼や亜鉛ダイキャストへのストライク浴として使われています。
シアン化銅ストライクは、めっきの密着性を良好にするための下地メッキで、高い電流密度で処理を行うメッキ処理です。
素地金属と密着力が良く、つきまわりの良い銅メッキが形成されます。
②浸炭防止
浸炭防止目的に銅メッキが使用されています。
ちなみに窒化防止にはスズメッキが使用されています。
③装飾めっきの下地
光沢シアン化銅メッキは、均一電着性が良く、複雑な形状の製品でも均一性の高いメッキが可能です。
(2)硫酸銅めっき
硫酸銅浴は他の銅メッキ浴で得られた皮膜に比べ建浴費が安く、廃水処理も容易で経済的で、浴の管理も容易です。
また、得られる皮膜は柔らかく、延性にも優れた皮膜が得られますが、光沢剤を添加しないとすじ状の析出が生じやすいという欠点があります。
(光沢剤により、析出物が硬く、もろくなる欠点もある)
硫酸銅メッキの利点
・メッキ液が安価に建浴できる。
・浴組成が比較的単純で管理しやすい。
・常温でメッキ処理が可能。
・皮膜が柔らかく、内部応力が少ない。
硫酸銅メッキの欠点
・メッキ液の腐食性が高い。
・鉄鋼や亜鉛ダイキャストなどに直接メッキができない。
・光沢剤が高価で消耗量が多い
・メッキの析出速度が遅い
b)硫酸銅メッキの浴組成およびめっき条件
硫酸銅と硫酸が浴の主成分であり、硫酸銅は2価の銅イオンの供給源で、硫酸は電導度を高め、アノードの溶解を良くする作用があります。
添加剤としては、光沢性、高レベリング性を与えるため各種の光沢を添加して使用されます。
(3)ピロリン酸銅メッキ
ピロリン酸銅メッキは浴が低毒性であることや均一電着性に優れている事から、硫酸銅メッキの光沢剤が開発される以前は多用されたメッキ浴です。
今日においても、プリント配線板スルホールメッキに欠くことのできない浴種です。
ピロリン酸銅メッキ浴は、欠点として加水分解する性質をもち、加水分解により生成したオルソりん酸はメッキ浴の寿命を縮め、メッキ不良の原因となるので浴管理には注意を要する。
ピロリン酸銅メッキの利点
・均一電着生に優れている。
・ピンホールが少ない
・素材金属への侵食が少ない。
・浸炭防止に有効
ピロリン酸銅メッキの欠点
・廃水処理が困難
・鉄鋼素地に直接メッキするのが困難です。
・平滑化作用が他の銅メッキに比べ劣ります。
・メッキ皮膜が硬く、電気伝導度が劣る。

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