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第12節 合金メッキにできること

メッキのニーズが多様化、高機能化し単一金属のメッキでは対応できなくなり、多くの合金メッキが用いられるようになってきました。装飾メッキの分野では、家電製品、自動車内装部品などにSn-Co 合金メッキ、Sn-Ni合金メッキ、Sn-Ni-Cu合金メッキなどの合金メッキが多く用いられています。

防食めっきの分野では、自動車用表面処理鋼板が従来の亜鉛メッキからZn-Ni合金メッキ、Zn-Fe合金メッキに代わってきており、自動車のエンジンルームの部品などにも合金メッキが適用されています。さらに、機能的な分野は、合金メッキが最も期待されている分野であり、特にエレクトロニクス関連のメッキには多くの合金メッキが採用されています


合金メッキの特徴

(1) 単一金属では得られない色調が得られます。

   Sn-Ni 合金メッキ     わずかにローズピンクがかる

   Sn-Co合金メッキ     クロムメッキより少し白っぽい外観

   Sn-Ni-Cu合金メッキ   少し黒色がかった光沢のある外観

   Sn-Cu-Zn合金メッキ   アルミ色に似た白っぽい外観


(2) 単一金属では得られない性質を持つメッキ皮膜が得られるため、要望される機能、特性を持たせる事が出来ます。

   硬い皮膜       Ni-P、Ni-Co

   耐食性        Sn-Ni、Ni-P、Ni-Zn、Zn-Fe、Sn-Zn

   潤滑性        Cu-Pb、Sn-Pb

   接着性        Cu-Zn

   磁性        Ni-P、Ni-Co-P

   はんだ付け性     Sn-Pb、Sn-Ni

   耐摩耗性       Ni-Mo

   耐熱性        Ni-W


このような優れた特性を持つ反面、合金メッキは単一金属のメッキに比べて、浴中の金属イオン濃度、配位子濃度、添加剤濃度、還元速度、還元速度を支配する過電圧、pH、浴温、攪拌の有無とその速度、電極表面の性質などに左右されやすいため、単一金属のメッキに比べて浴管理、作業条件の管理などが重要です。


合金メッキの装飾的用途

装飾用合金メッキとしては、古くからシアン化物浴による黄銅メッキが多く用いられています。製品の多様化により、多くの合金メッキが装飾目的で採用されています。


中間層のメッキと最終仕上げのメッキを種々組み合わせることにより、かなり外観の異った表面が得られ、製品の多様化を図ることができます。

このように従来のクロムメッキと異った色調を有し、耐食性、耐変色性の優れた合金メッキが装飾用として要望されています。


 ①自転車部品

アルミニウム上のSn-Ni合金メッキ

 ②電気製品、自動車内装品

Sn-Co合金メッキ、Sn-Ni-Cu合金メッキ

 ③照明器具、建築金物

Cu-Zn合金メッキ、Zn-Ni合金メッキ

 ④文房具

Sn-Co合金メッキ、Sn-Ni-Cu合金メッキ

 ⑤メガネ

Sn-Ni合金メッキ、Ni-Pd合金メッキ、Sn-Ni-Cu合金メッキ

 ⑥装飾用ボルト、ナット

Sn-Co合金メッキ

 ⑦金メッキ下地

Sn-Cu合金メッキ


装飾用の合金メッキは多様化の要望から、新しい色調の合金メッキの開発が要望されており、電着塗装と組み合わせることにより、多彩な外観が得られます。


合金メッキの防食的用途

防食用の合金メッキはSn-Zn合金メッキ、Zn-Fe合金メッキ、Zn-Ni合金メッキであり、自動車のいわゆる防錆基準である10-5-2-1(孔あき錆なし10年、表面錆なし5年、エンジンルーム内錆なし2年、床裏錆なし1年)をクリアするために用いられています。


防食用合金メッキの特性


①エンジンルーム内の熱のかかる部品

Zn-Ni合金メッキ

②曲げ加工、かしめなど二次加工する部品

Sn-Zn合金メッキ

③はんだ付け、ろう付けする部品

Sn-Zn合金メッキ

④締め具(ボルト、ナット、ワッシャー)

Zn-Fe合金メッキ

⑤ガソリンタンク、管内部など均一電着性の必要な製品

Sn-Zn合金メッキ


合金メッキの機能的用途

電気メッキの用途は従来装飾用、防食用が主でした。

しかし最近はメッキ皮膜の持つ性能を利用した機能的用途が中心になってきました。

特に工業材料の要求性能が厳しくなり、単一金属のメッキだけでは対応できない場合が多くなり、それぞれの特性をもつ合金メッキが使用されるようになってきました。


合金めっきが機能メッキとして、期待される点

①高融点金属と低融点金属の合金が容易に作れること(Sn-Ni 合金メッキ)

②溶融法では混ざり合わない合金ができること(Cu-Pb 合金メッキ)

③平衡状態図に存在しない金属間化合物を作れること(Sn-Ni 合金メッキ)

④溶製合金に比べて、硬さが高く、耐摩耗性が優れていること(Ni-P,Ni-Co,Fe-C 合金メッキ)

⑤非晶質合金が作れること(Ni-P,Cr-C 合金メッキ)などがあります。


ニッケルとコバルトあるいはスズと鉛のように比較的電位の近接した金属は、酸性浴からでも共析しますが、銅と亜鉛のように電位の離れているような金属の場合は、両者は合金メッキとして得られません。

銅と亜鉛のような標準電位が著しく異なる金属の場合には、濃度差だけでは電位を近接させることは難しいため、析出電位を調節するために、錯化合物が用いられます。


(1) 正常共析系の合金メッキ

電気化学的に貴な金属が優先的に析出する系の合金メッキです。


(2) 異常共析系の合金メッキ

電気化学的に卑な金属イオンが優先的に共析する合金メッキです。

ニッケル-亜鉛、ニッケル-コバルト、亜鉛-鉄などが異常共析系の合金メッキです。


(3) 誘導共析系の合金メッキ

水溶液から単独ではメッキできないモリブデン、タングステン、リンなどが、鉄属の金属(ニッケル、鉄、コバルト)と共に共析する。

このような系の合金メッキを、誘導共析型合金メッキです。


合金メッキは装飾用をはじめとして、防食用、機能用として多く使用されるようになってきました。今後、装飾メッキはできるだけ多様化を図るため各種の色調が要求されるようになると予想できます。

機能性の面でも合金メッキが今後いっそう期待されます。




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