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めっき加工であなたの嬉しいを実現、スズメッキの特徴や用途について。株式会社コネクション

更新日:2021年11月28日

スズメッキは古くから人間が活用してきた技術の一つです。

スズは毒性が低いことから、さまざまな物品の表面処理に用いられた事例も多く残されている歴史のあるメッキ法です。

古くからあるブリキのような材料もその一つです。

一方で、スズメッキの柔軟性や摺動性、はんだ付け性の高さも注目され、現在の新しいテクノロジーにも広く適用されています。

本記事では、あらためて注目されるスズメッキの特徴や用途、問題点なども含めてご紹介します。

御社でのスズメッキの活用のお役に立てれば幸いです。


(目次)

1.スズという物質

2.スズメッキの特徴

  ・毒性の低さ

  ・柔軟性や摺動性

  ・優れたはんだ付け性

  ・その他の特性

3.スズメッキの用途

4.スズメッキの問題点

  ・ウイスカの発生

  ・その他の問題点

5.スズメッキの種類

  ・酸性浴とアルカリ浴

  ・光沢スズメッキ

  ・合金メッキ

6.まとめ


1.スズという物質



スズは原子番号50、元素記号Snの物質です。

産出国はインドネシアやマレーシアなど東南アジア、中国、南米などです。

人類の歴史の中でも最も早い段階で使用されたとされる金属で、少なくともスズと銅の化合物である青銅を広く用いていた青銅器時代には、人間の生活の一部として馴染みを持たれていました。

スズは変色したり錆を発生したりしにくく、安定性の高い物質としても知られています。

加熱した際に溶け始める融点は他の金属と比べて非常に低いという性質も持っています。

鉛とスズの合金であるはんだなどもこの性質を利用したよく知られた金属です。

また、スズ自体は非常に柔らかい物質でもあり、純度100%のスズの場合はすぐに傷ついたり変形したりしてしまいます。

なお、鉄の表面にスズを処理したブリキはよく知られた存在ですが、このブリキはスズの耐食性などを利用したスズメッキの一種です。

缶詰缶やバケツなどでもブリキが古くから活用されている通り、金属としてのスズ同様、スズメッキも技術の世界の中で長い歴史を持つものです。


2.スズメッキの特徴



特徴ある金属であるスズを表面に処理するスズメッキは、さまざまな性質を持ち、広く活用されている技術です。

いくつかその特徴をご紹介します。


2-1.毒性の低さ



スズメッキに用いる無機スズは人体に害のない物質です。

そのため、鍋や食器、ボタンなどの日用品の表面処理にも使用することができます。

また、銀白色で見た目も美しく、装飾としての目的も果たすことができます。

スズの毒性の低さは人間が長い歴史でスズを有効に活用してきた大きな理由の一つと言えます。

なお、実は人工的に作られた有機スズにはいわゆる環境ホルモンとして人体に有害ですが、日用品のスズメッキに使用されるのは無害の無機スズですので、安心して使用して問題ありません。


2-2.柔軟性や摺動性



スズはとても柔らかい物質で、例えばスズメッキした材料をメッキ後に変形させることも可能です。

このような性質から、物体表面の柔軟性や摺動性(摩擦が小さく潤滑しやすいということ)を増す目的で使用することができます。

表面が柔らかいことで、例えば冶具として用いるものをスズメッキした場合には、メッキ部分がカバーしてくれ、本体を傷つけることなく使用できるなどのメリットに繋がります。

また、摺動性の高さは動く物同士が接する部分に使用すると有効です。

したがって、軸受部品のメッキなどにもスズメッキが活用されます。


2-3.優れたはんだ付け性



スズのもう一つの代表的な特徴は融点の低さです。

低い温度でも溶けるというこの性質は、はんだ付け性が優れるということに繋がります。

従来、電子部品などにはスズと鉛の合金であるはんだメッキが用いられてきました。

しかし、実ははんだには鉛が含まれていることが問題となります。

鉛は人体に有害な物質で、その使用が規制されているのです。

特にヨーロッパでは2003年に発効され、その後の環境規制の中心的な存在となっているRoHS指令で鉛の使用に厳しい制限がかかっており、はんだメッキは次第に使用されなくなってきています。

この点、毒性の低いスズメッキであれば有害な物質を含むことがなく、はんだの代替品として使用されることも増えています。

当然、十分な電気的特性も得られます。


2-4.その他の特性



前述のブリキや食器などの用途はスズメッキの耐食性も役割を果たします。

例えば鉄などに比べてもスズの耐食性は高く、単に表面の毒性が低いだけでなく、耐食性もあって初めて採用されている事例がほとんどです。

また、鉄鋼材を窒化処理して硬化させる際、窒化させたくない箇所をスズメッキすることがあり、窒化防止にも優れた性質を持っています。


3.スズメッキの用途



さまざまな特性を持つスズメッキは広い範囲で使用されます。

毒性がなく、耐食性もあることから、ブリキとして使用したり食器などにも活用されているのは既に述べたとおりです。

摺動性の高さを利用して、自動車や機械の軸受部品のメッキに活用されることもあります。

また、近年多く利用される性質ははんだ付け性です。

環境に優しいメッキであると同時に電気伝導性もあり、半導体部品やコネクタ部品などさまざまな電子機器部品に使用されています。

鉛規制が厳しくはんだメッキはもはや採用できない中、日々要求が高まる半導体部品などの需要においては、今や鉛フリーのスズメッキが救世主とも言える存在になっています。

スズメッキは人類の歴史の中で早い段階から活用され、スマートフォンなどが大活躍する現代でもなくてはならない技術として、常に存在し続けているのです。


4.スズメッキの問題点

4-1.ウイスカの発生



多岐にわたって活躍するスズメッキですが、使用にあたって注意すべき点がいくつかあります。

その中で最も大きな問題はウイスカの発生です。

ウイスカとは、内部応力などが原因でスズの単結晶から生成されるヒゲ状の突起のことです。

電子部品や半導体部品などでは特に、ウイスカの対策をしておかないと、成長してショートさせてしまうといった問題を引き起こしてしまいます。

対策として、ウイスカは下地にニッケルメッキをしておくと発生を抑えることができます。

また、の加熱処理による対策も有効です。

弊社 株式会社コネクションが採用している対策は、添加剤で抑制する方法です。

ウイスカ対策が必要な案件の場合は、ウイスカ対策めっき浴をご用意してメッキを行っております。

必要な際は是非ご相談ください。


4-2.その他の問題点



その他の問題点として、スズの特性が裏目に出てしまう状況もあります。

スズはとても柔らかい物質ですので、ちょっとしたことで傷が付きやすいです。

鉄素材などでの防錆機能はスズメッキの利点の一つですが、欠陥などによって素材を完全に被覆していない状態になると、かえって錆の進行が進んでしなうという点も注意しておかなければなりません。

また、融点が低いため、高温下での使用には適していません。

もう一点、問題点を挙げるとすると、スズメッキは変色が問題になることがあります。

この変色を防止する方法はリン酸ナトリウム処理やクロメート処理などです。

ただし、これらの処理を行うとはんだ付け性が低下することがありますので、あくまで目的に応じて行うことをお勧めします。


5.スズメッキの種類

5-1.酸性浴とアルカリ浴



スズメッキのメッキ浴には、酸性浴とアルカリ浴があります。

酸性浴は硫酸浴などが一般的で、メッキ速度が速い、常温での処理が可能などの特徴があります。

また、近年は酸性浴から光沢性、はんだ付け性、耐食性に優れた光沢スズメッキが開発され、その使用が大きく拡大されています。

光沢スズメッキについては後ほどご紹介します。

アルカリ浴はスズ酸塩浴などがあります。

酸性浴と比べるとメッキ速度が遅く、高温での処理となります。

メッキ速度が遅いことで、酸性浴と比べると格段に時間を要してしまい、なおかつ高温での処理も取り扱いの注意が必要となります。

また、酸性浴で実現できた光沢スズメッキはアルカリ浴ではできません。

高い電流密度でメッキが可能で、メッキの付きが良いことはメリットです。

なお、ピロリン酸塩浴などを用いた中性浴も使用されることがあります。


5-2.光沢スズメッキ



前に述べた通り、酸性浴でのメッキにおいて、光沢スズメッキが開発され、現在は広く使用されています。

スズメッキはもともと無光沢でしたが、その当時はカドミウムメッキに立場を譲ってしまっていました。

光沢スズメッキが開発され、見た目の美しさに加えて、はんだ付け性、耐食性も向上したこと、カドミウムが公害物質として使用しにくくなったことなどから、一気に使用が広がりました。

また、光沢スズメッキは滑り性や耐摩耗性が無光沢のものと比べて向上し、機械部品の機能としては適しています。

見た目においても、無光沢スズメッキは傷などが目立ってしまうデメリットがあり、脱着を伴う接続部品などには光沢スズメッキを使用することが多いです。

もちろん、スズメッキの特徴である毒性の低さも健在で、食器や缶詰缶に使用することもできます。

弊社 株式会社コネクションでは、酸性浴の光沢スズメッキにて行わせていただいております。


5-3.合金メッキ



金属材料において、1種の元素のみから成るものを純金属、2種以上から成るものを合金といいます。

メッキにも合金から成る皮膜が存在し、これを合金メッキといいます。

スズメッキにも合金メッキがあります。