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めっき加工であなたの嬉しいを実現、スズ、スズ合金に発生するひげ状のウイスカとは、その問題点と原因は?株式会社コネクション
更新日:2021年11月28日
スズめっきはその特性として柔らかく、延性があり、融点が低く、固定金属と固体金属のはんだ付け性、しゅう動部のなじみ性に有効であることから、電子部品や自動車、飛行機などから産業用製造装置など幅広く利用されています。
スズめっきの歴史
スズめっきの歴史は、紀元前16世紀の北部メソポタミアでは鉄器などへのスズめっきが行われていたとされています。
1970年代に入ると電気・電子部品工業における生産量の急速な伸びと携帯電話、情報端末機器などの電子機器の小型化に伴い、電子部品の小型化とセラミックスまたはガラスなどの絶縁材料がメッキ部分が一体となったチップ部品が増大するようになりこれらの事からスズめっきは用途を広げ幅広く利用されるようになっております。
そんな幅広く利用されているスズメッキですが、ウイスカと呼ばれるひげの発生が問題となる事があります。
ウイスカにつきまして詳しく説明します。
スズメッキのウイスカ(ひげ状単結晶)とは
スズめっき層からウイスカと呼ばれるひげ状のスズ単結晶が徐々に自然成長することがあります。
このウイスカとはほおひげまたは、動物のひげの事を表すのですが、その形状や発生の仕方がひげのようであることから金属やその他の固体の細線状の結晶成長をウイスカと呼んでおります。
ウイスカの直径1〜10μmで長さはその1000倍(1mm)にも達する事があるため、短絡事故の原因になる事が昔からの課題となっております。

ウイスカの発生原因は圧縮応力
スズメッキ皮膜中に不均一な圧縮応力が働いている時、これを開放するためにスズの再結晶とスズ原子の拡散が起こり、最終的に薄い酸化皮膜を突き破ってウイスカが成長すると考えられます。
圧縮圧力の原因5項目
メッキの電着応力
素地とメッキ皮膜との界面での金属間化合物層成長による体積膨張
酸化皮膜の成長による体積膨張
機械的な応力
メッキ皮膜と素地との熱膨張係数の違いに起因する温度履歴による応力
スズ・スズ合金メッキの今後の課題
電気、電子部品におけるはんだ付け性の改善を目的とした鉛フリーはんだめっきでは、ウイスカ(ヒゲ状のスズ単結晶)の発生しないスズメッキ皮膜の開発やスズメッキをベースにビスマス、銅、銀、亜鉛などの合金メッキが開発され、合金化することでスズメッキ単体の皮膜よりも低融点でウイスカ発生抑制に期待されています。

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