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【メッキ技能士直伝】アルミニウム素材へのメッキ処理、前処理の必要性

更新日:8月13日

アルミニウムにメッキを行う際には、鉄などとは異なる前処理が必要です。

その理由は、アルミニウムの特性にあります。アルミニウムは、空気中で酸化しやすく、すぐに酸化皮膜が生成されます。この酸化皮膜はメッキの密着を妨げるため、事前に酸化皮膜を取り除き、再酸化を防ぐ処理が不可欠です。


また、アルミニウムとメッキ皮膜は金属結合ではなく物理結合による結合である事から、表面を適切に粗化させる必要があります。これにより、メッキがしっかりと密着するようにします。


脱脂

アルミニウムの表面から油分や汚れを除去することで、次の工程での処理効果を最大化します。適切な脱脂剤を選び、素材を完全に清浄にすることが重要です。


エッチング

酸化皮膜や表面の不純物を除去し、アルミニウムの表面を粗化させます。この工程により、後のメッキの密着性が向上します。


デスマット

エッチング後に残るスマット(合金成分の残留物)を除去する工程です。これが残っていると、メッキの品質に悪影響を及ぼします。


ジンケート

ジンケート処理により、アルミニウム表面の酸化皮膜を取り除き、亜鉛の置換膜を形成します。これにより、アルミニウムの再酸化を防ぎ、メッキの密着性と耐食性が向上します。


ジンケート剥離

最初のジンケート処理で形成された亜鉛膜を一度剥がし、再度ジンケート処理を行います。これにより、より均一で緻密な亜鉛膜が形成され、最終的なメッキの品質がさらに向上します。


これらの工程を順に行うことで、アルミニウム素材に高品質なメッキを施すことが可能になります。アルミニウムの特性に合わせたこれらの前処理工程は、メッキの密着性や耐久性を確保するために不可欠です。


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【著者のプロフィール】

代表取締役

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。

30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。




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