金属の陽極酸化とは
金属を電解溶液中で陽極として電気分解を行うと次のような陽極反応が起こります。
電解質自身の酸化
金属の電気化学的溶解
酸素ガスの発生
不動態化膜の生成
これらの電気化学的な酸化反応を陽極酸化と呼びますが、一般に金属の陽極酸化に対してこれらの酸化反応のうち不動態化膜の生成を陽極酸化と定義されることが多いです。
金属の陽極酸化につきまして簡単にご説明しましたが、陽極酸化として利用される金属としてはアルミニウム、チタン、ステンレスなどがございます。
これらの中でアルミニウムの陽極酸化、通称アルマイトについてご紹介。
アルマイトと硬質アルマイトの違いは?
アルマイト処理には普通アルマイトと硬質アルマイトの2種類に分けられます。
名前の通りですが、硬質アルマイトは普通のアルマイトに比べ硬い皮膜となります。
普通アルマイト硬度・・・HV250程度
硬質アルマイト硬度・・・HV400程度
数値で表現してもわかりにくいかと思いますが、普通アルマイトの硬度でステンレス同等の硬さとなり、非常に硬いことがご理解頂けると思います。
そのアルマイトよりも硬くしたものが、硬質アルマイトになります。
アルミ缶をイメージしていただくとご理解頂けると思いますが、アルミニウムは非常に柔らかい金属です。柔らかい金属ですので加工性に優れているなどいい面があるのですが、柔らかいため傷がつきやすいなど使用する際には不便な所が多々あります。それをアルマイト処理を施すことで表面を固くすることで傷や腐食などから守ります。
硬さの違いはどうやって作り出すの??
普通アルマイトは、処理液の温度を20℃程度で処理を行います。それに比べ硬質アルマイトは、0℃近くまで液温を下げ処理を行います。
処理時の液温を下げて処理を行う事でアルマイト皮膜にある孔の直径が小さくなり、孔と孔の間にある孔璧が厚く生成し皮膜が硬くなります。
まとめ
アルマイト処理は通常20℃程度の液温で処理を行いますが、硬質アルマイトは0℃付近まで
温度を下げて処理を行う事でアルマイト皮膜にある孔の直径が小さくなり、孔と孔の間にある孔璧が厚く生成し皮膜が硬くなります。
処理液は全く同じものを使用しておりますので、単純に処理液の温度を下げるだけで皮膜の成長が代わり硬さという特性を得る事が可能になります。
温度を下げることで硬度だけでなく、実は限界膜厚も厚くなるんです。
アルマイトの場合素材にもよりますが、30μm程度で限界膜厚に到達しますが、硬質アルマイトの場合100μm程度まで処理ができる状態となります。
それ以上は皮膜の溶解速度の方が増してしまい皮膜としての成長が見込めない状態となります。
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