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【メッキ技能士直伝】貴金属と金属アレルギーの関係を詳しく説明

更新日:2023年8月30日

金属は、汗や体液などに触れると金属イオンになって液体中に溶け出します。

この金属イオンは皮膚のタンパク質と結合し、本来とは異なる新たなタンパク質に変化します。人によってはこれを免疫細胞が異物のアレルゲンと認識して攻撃します。

このためかぶれ、炎症が起き、体組織が破壊されます。

この症状を金属アレルギーと言われます。




金属アレルギーは完治しても同じ金属が皮膚に触れれば敏感な状態は繰り返されます。

なお、アレルゲンとはアレルギーの原因となる物質を指します。


金属アレルギーか否かの診断にはパッチテストが使われます。

このテストは絆創膏に貼り付けた幾つかの試薬を2〜3日の間、背中などに貼り、それを剥離した後の2〜7日における皮膜のかぶれ状態を肉眼でチェックする手法です。


金属アレルギーを起こしやすい金属は水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、金(Au)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、などが金属アレルギーを起こしやすい金属

になります。


逆に金属アレルギーを起こしにくい金属にはアルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、銀(Ag)、鉄(Fe)、などが金属アレルギーを起こしにく金属になります。


皮膚金属アレルギー対策が近年、きめ細かに講じられています。

このため、装飾品、時計、メガネなどによる皮膚トラブルの件数は年々減少傾向にありますが、トラブルの80%は金属アレルギーと言われています。


厚生労働省の金属アレルギーに関するパッチテストの結果から、用途別金属アレルギー発生率は装飾品が60%、時計7%、メガネ7%と装飾品が圧倒的に発生率が多くなっております。

また、宝飾品の中でもネックレスとピアスでの金属アレルギーの発生率が全体の80%を占めており、金属別の金属アレルギー発生率ではニッケルとコバルトで半分以上を占める形となっております。



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【著者のプロフィール】

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、 製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。

30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。 メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。




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