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これがマットブラックの外観です。
弊社で取り扱っております色んな黒の処理はこちら
これらがありますが、一般的に艶消しの黒でご相談頂いた場合にご提案させて頂く皮膜がこちら『マットブラック』です。
先日のブログでメッキ前の状態をご紹介させて頂いております。
その記事が「亜鉛ダイキャストにメッキ処理されていてもメッキ剥離できるんです。」
ショットブラスト処理や化学エッチング処理など施さなくても艶のない黒色皮膜を得ることが可能な表面処理です。
【マットブラック処理とははどんな皮膜?】

マットブラックは独自の外観を持った表面処理ですが、マットブラックのメリット、デメリットをご紹介
マットブラック処理のメリット
漆黒調の黒色皮膜
ショットブラストなど施すことなく艶消しに
均一性の高い黒色皮膜
反射防止性の高い黒色皮膜
ベースの皮膜を二次加工で黒くすることが多い表面処理のなかで、マットブラック処理はメッキ皮膜自体が黒いため、析出状態から黒い皮膜となっており尚且、粗い粒子が析出するため、析出時からつや消しの外観となりショットブラストや他の方法で艶消す必要のない加工皮膜となります。
マットブラックのデメリット
アルミニウム、チタン素材に直接処理できない。
光沢(鏡面)黒色処理ができない。
マットブラックのデメリットは析出皮膜自体がつや消しとなりますので、光沢の黒色皮膜が必要な案件や、艶を出した黒色が必要な場合にはご使用頂くことができません。
【黒色無電解ニッケルメッキの他の皮膜に比べ優れた所】
黒色無電解無電解ニッケルメッキは他の皮膜とは異なる点が様々あります。
そこで黒色無電解ニッケルメッキが他の皮膜と比べて優れた点、劣っている点をご紹介。
黒色無電解ニッケルメッキの優れた所
1.無電解ニッケルメッキと同様均一なメッキ皮膜
2.硬い皮膜硬度(一般的な無電解ニッケルメッキや硬質クロムメッキなどには及びませんが、硬い皮膜を形成できます。)
3.艶のある黒色、ツヤ消し黒色皮膜どちらも対応可能。
黒色無電解ニッケルメッキの劣っている所
1.薄膜での処理対応ができない。(5μm以下)
※二次加工で黒色にするため薄膜ではベースの皮膜が溶解してしまうためです。
2.皮膜全体が黒色ではない。(表層の0.2μm程度が黒色の皮膜)
黒色無電解ニッケルメッキは皮膜が固く、均一なメッキ皮膜ですが、黒色部が表面の数ミクロンであるため表層が傷がついた場合、下地のシルバー色が見えてしまうことが懸念されます。
【アルミ素材限定の黒色アルマイトって使われる所あるの?】
アルマイト処理はアルミニウム素材限定(アルミニウム素材にしか対応できない)の処理となりますが、アルミニウムにしかできない事が悔やまれるほど優れた特性があります。
ただこのアルマイト処理、普通に処理するだけではツヤ消しの皮膜になりませんので、素材自体に何かの加工を施し艶を消してからアルマイト処理を行う事でツヤ消しのアルマイト処理にすることが可能となります。
黒色アルマイトのメリット
1.カラーバリエーションが豊富
2.ツヤ消し、艶ありどちらも対応可能。
3.高い皮膜硬度
4.優れた耐摩耗性
5.傷防止に優れています。
ツヤ消し方法とは??
ツヤ消しにするには素材に加工が必要になるのですが、ツヤ消しの方法にもショットブラストなどの物理方法や、薬品によるケミカル方法などがあります。
ショットブラストなどの物理的な方法の場合、アルミナなどの細かい粒子を素材表面にぶつけて凹凸を形成し艶を消す方法になりますが、物質を製品にぶつけて処理を行う際に摩擦熱が生じたり、処理ムラが発生するなど品質面で課題がでてくる場合があります。
化学反応を利用し処理液で艶を消す方法の場合は、均一に艶を消すことができるなどメリットの一方で、艶を消す際に素材を溶解させながら艶を消す方法となるため、寸法が現象してしまい、寸法公差の厳しい製品の場合は、先に減少量を計測し減少分を見込んだ物作りが必要になることです。
黒色アルマイトのデメリット
1.一番のデメリットはアルミニウム素材以外加工できないことです。
2.塗装の様な白色ができない
アルマイト加工の皮膜はアルミナ(Al2O3)の皮膜でアルミニウム素材を溶質させながら皮膜を形成する処理加工ですのでアルミニウム素材にしか処理できないのですが、アルマイト処理後に染料、顔料の溶液に浸漬することで希望の色合いのカラーアルマイト皮膜にすることが可能です。
着色に使用された染料や顔料は、アルマイト皮膜に形成される微細なポア(穴)の内部に浸透し、アルマイト皮膜の表層に色があるわけではなく、皮膜の中にカラーが存在する皮膜となることから塗装のように表面が傷がつくことで剥がれたりすることはなく、金属の皮膜のため固いうえ、金属質感のあるカラーを表現できるんです。
黒色アルマイト、アルミニウムにしか処理できませんが、化粧ケース、スマフォの筐体などに使われております。
【黒色クロメートってクロムメッキと勘違いされるけど別の皮膜です。】
黒色クロメートってクロムメッキやクロメートメッキだと思われていることがありますが、黒色クロメート処理は実は亜鉛メッキの後処理なんです。
クロメート処理はChromate Conversion Coatingとして1935年にアメリカで開発された表面処理です。
クロメート処理の目的
亜鉛メッキの白サビ防止
外観の美観性
指紋やその他の防汚性
クロメートには光沢クロメート(ユニクロ)、有色クロメート(クロメート)、黒色クロメート、最近あまり使われませんが緑色クロメートがあります。
RoHS指令の関係上6価フリーの3価のクロメートが主な処理となっておりますが、耐食性の関係から6価のクロメートを指定される場合もございます。
※3価クロメートにもユニクロ、有色クロメート、黒色クロメートがありますが、緑色クロメートが対応できません。
【鉄素材限定の表面処理黒染めって】
黒染め処理はリン酸マンガン処理同様一般的にあまり知られていない表面処理です。
リン酸マンガン同様、鉄素材限定の表面処理で、安価に防錆処理したい場合に使われております。
黒染めの皮膜は四三酸化鉄(FeO3)の皮膜となります。
外観は黒色の皮膜ですが、油塗布した状態で黒色の外観ですが、油を拭き取りしますと防錆力が劣る皮膜となります。
鉄の鋳物などに黒染め処理を行いますと外観が茶褐色の外観となりますが、鉄素材以外の不純物には処理ができないため、目視にて茶褐色の外観となります。
【リン酸マンガン(リューブライト)加工とは】

リン酸マンガン処理(リューブライト処理)はあまり一般的に知られていない表面処理になります。
なぜ??知られていないかといいますと、このまま使用されることが少なく、塗装の下地などに使われる以外に使用用途が広がっていないことが原因です。
リン酸マンガン処理(リューブライト)のメリット
1.一定までしか皮膜が成長しない。
2.絶縁性皮膜
3.成長皮膜がツヤ消し
リン酸マンガン処理(リューブライト)のデメリット
1.鉄素材限定の処理
2.成長皮膜自体がツヤ消し皮膜のため光沢性の外観にできない。
3.膜厚を薄く加工すると皮膜の欠陥が多い
個人的にはリン酸マンガン皮膜は独特のツヤ消し感で黒ともグレーとも言えるような色、質感でとても好きな外観ですので、外観用途などでもPRしたい皮膜です。
また、皮膜の特性として絶縁性があるため、絶縁目的の案件にも使用用途を広げつつあります。
【黒色皮膜総まとめ、結局黒色皮膜はどれがいい??】
①マットブラック
②黒色無電解ニッケルメッキ
③黒色アルマイト
④黒色クロメート
⑤黒染め
⑥リン酸マンガン処理(リューブライト)などご紹介してきましたが、結局どの黒色皮膜がいいのでしょうか?
色んな黒色皮膜がありますが、例えばツヤ消しの黒色が目的で素材にショットブラストなど施せない鉄鋼材料であれば、マットブラック、リン酸マンガン処理(リューブライト)などを弊社からはご提案させて頂いております。
まずは材質や目的など弊社までご相談頂ければ目的に応じた加工をご提案させて頂きます。