無電解ニッケルめっきの歩み

無電解めっきとは化学めっき(カニゼンめっき:日本カニゼン様商標)ともよばれ、文字通り外部電源を用いることなく、化学的還元作用によりめっき処理する方法です。

「無電解ニッケルめっき」は「カニゼンめっき」と呼ばれたりするのですが、カニゼンめっきが無電解ニッケルめっきと同一処理であることはあまり知られておりませんが、なぜ無電解ニッケルめっき処理をカニゼンめっきと呼ばれているか昔に遡ってご紹介。

​無電解ニッケルめっきの歩み

無電解ニッケルめっきはBrennerにより1944年に偶然に発見されました。

1946年、研究の発表により無電解ニッケルメッキの利用が始まり、硬さ、耐摩耗性、耐食性、非磁性安定性など特有の優れた特性を持つ他、電気めっきには無い膜厚の均一性という特徴があるために、その後世界に普及しました。

日本では、昭和30年頃小野田セメント株式会社がカニゼンプロセス( CANIGEN:Catalytic Nikel Generation:ニッケルを触媒として発現するの意) が技術導入し全国に広めた際に、カニゼンめっきという名前で無電解ニッケルめっき処理を全国に広めた事がカニゼンめっきと呼ばれる由来です。

アルミダイキャストへ無電解ニッケルめっき施工後の断面観察画像

​アルミダイキャストへ無電解ニッケルめっきを施した製品の断面観察画像

​無電解ニッケルめっき技術資料(含リン率について)

 無電解ニッケルめっきは次亜リン酸ナトリウム(ホスフィン酸ナトリウム)を還元剤とするめっき方法です。

還元剤に次亜リン酸ナトリウムを使用するため、めっき皮膜に還元剤のリンが共析するため無電解ニッケルめっきで得られる皮膜はニッケルとリンの合金めっき皮膜になります。

無電解ニッケルめっき皮膜中のリン%(含リン率)を変更する事が可能ですが、リンの含有量によってもその性質が異なります。これは、結晶構造が変化することによるものです。

以下に主なりん含有量とその性質についてまとめます。

・低リンタイプ

リン含有率1~4%。はんだ付性に非常に優れています。ただし、耐食性は他に比べて劣ります。

・中リンタイプ

リン含有率7~10%。素材への密着性も高く、汎用性の高い方法です。高い耐食性も持っています。

・高リンタイプ

リン含有率11%~12%。耐食性、耐酸性に優れています。

 

 

無電解ニッケルめっき(electroless plating)の皮膜は電気めっきで得られるニッケルめっき皮膜に比べ硬い皮膜になることが知られていますが、熱処理を加える事で更に皮膜硬度を高める事が可能です。

​無電解ニッケルめっき技術資料(皮膜硬度について)

熱処理する事でなぜ皮膜硬度が上がるのでしょうか?また、熱処理を行う事でエンドレスに硬度が上がるわけではありませんので、限界値も含めてご紹介します。

無電解ニッケルめっき皮膜の硬度は析出状態でHV500前後ですが、熱処理を行うことで最大硬さHV1000程度まで皮膜硬度を高める事が可能です。ステンレスの硬度が約250HVですので、ステンレスの約4倍の硬さと非常に硬い表面にする事ができます。

 

熱処理を行いますとニッケルリン化合物(Ni3P)の析出硬化を起こす事で皮膜の硬度が上がります。

無電解ニッケルの皮膜硬度は400℃付近で最高硬度に達し、そこから緩やかに皮膜硬度が下がっていきます。500℃でも800HVと非常に硬い状態をキープすることが可能です。

​各温度で1時間熱処理後の無電解ニッケルメッキ硬さ

皮膜硬度測定データ

​無電解ニッケルめっき技術資料(その他皮膜特性について)

無電解ニッケルめっき(ニッケルリン合金めっき)の引張強さ、内部応力、磁気特性および皮膜構造などはリンの含有率によって大きく変化し、延性は皮膜中の含リン率11%の時に1.5~2.0%の最大伸びが得られ、この含リン率からずれると伸び率は減少します。

皮膜の密度はリンの含有率の増加に従って密度は減少し、リンの含有率が10%以上のニッケルリン合金めっきは非晶質となり磁性を示さなくなります。

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