意匠性・装飾
我々の身の回りの工業製品は、目に触れる部分に何らかの装飾性を付与されてはじめて製品として完成したものになっています。
製品に装飾性を与えるためには、塗装や研磨を初めとして多種多様な方法が行われているが、メッキは金属的な光沢・質感・高級感を製品に付与すると同時に素材を腐食や摩耗などから保護するなどの機能性も与える事ができます。
近代的な工業技術としての装飾メッキは、1950年代に自動車バンパー用として耐食性の高い光沢メッキ技術が実用化されたことによって急速に発展しました。
2層ニッケルメッキ/マイクロポーラスクロムメッキを組み合わせた多層メッキを鉄鋼製バンパーに施す事により15年間の屋外暴露でもサビを生じないことが実証されています。
1960年代には鉄鋼や亜鉛ダイキャスト素材にクロムメッキを最上層とする多層メッキ、光沢銅メッキ/ニッケルメッキ/クロムメッキあるいはニッケルメッキ/クロムメッキを行い、銀色に近いいわゆるクロム色の光沢仕上げを施したインテリア、家電製品が高級品として身の回りにあふれるようになりました。
また、自動車にはバンパーだけでなくあらゆる金属パーツにクロムメッキを施すことが当然とされました。
現在では光沢クロムメッキ仕上げの多様はむしろレトロな印象を与えるデザインとなっています。
1980年代に入ると消費者の嗜好の変化、多様化に伴ってクロムメッキ特有のクールな光沢感が飽きられてきました。自動車においては1977年に発売されたトヨタセリカへのウレタンバンパーの採用をはじめとして光沢ニッケルメッキ/クロムメッキの採用が激減しました。
装身具の分野でも同様に、1970年代までは光沢仕上げの金メッキと銀色のロジウムメッキが高級感を演出するために多用されました。
1980年以降多様化が進み、古美仕上げや「渋い」色調の銀メッキの需要が拡大しました。
時代毎に意匠性の好みの変化は起こっていますが、そのなかでもメッキによる装飾は形を変えながら身近な所で使われています。
【意匠性・装飾性に有効なメッキ処理】

ニッケルメッキ
ニッケルメッキは耐食性がよく、機械強度も優れています。
その事からニッケルめっきは装飾めっき、機能めっき(耐熱性、耐摩耗性、ハンダ付け性)など幅広く使われております。


金メッキ
極めて高い耐食性、低い接触抵抗を兼ね備えた金属であり、プリント基板、電子部品、半導体にも利用されています。
陽極酸化『アルマイト』
アルミニウムの陽極酸化皮膜成膜時に酸化アルミが微細な細孔(100~300Å)を形成する構造となっているため、この孔に種々の物質を充填することでカラーリング(着色)を行う事が可能です。

『マットブラック』
黒色皮膜『マットブラック』は電気めっき処理とコーティングのハイブリットの処理です。
艶消しの黒色皮膜で匠性性や、反射を防止できるためカメラ検査機器等への処理に適した処理です。

銀鏡皮膜『クリアシルバ』
ベースは銀色になりますが、その上に着色することで金属光沢のある様々な色を表現可能です。
既存色は9色ご用意致しておりますが、色の調色や色の濃淡の調整も可能ですので、ご希望のイメージを表現することが可能です。
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